担当者名:シェア=国際保健市民協力の会
健康で平和な世界をすべての人とわかちあう(シェア)ために

日本および海外(タイ、東ティモール、カンボジア、南アフリカ)で活動する特定非営利活動法人です。
2016年03月28日
嬉しい「ありがとう」の連鎖 〜シェアもったいない活動の拡がり〜
昨年の10月後半から、温かなメッセージとたくさんの「使用済み切手」や「書き損じハガキ」が事務局に届くようになりました。それも、これまで全くシェアと接点がなかった方々から。


•「こんにちは!すばらしい活動ですね!家で眠っていた切手が、どなたかの支援に役立てていただけるなんて嬉しいです」

「部屋を整理していたところ、書き損じや未使用の年賀状がでてきました。微力ながら、貴会に協力いたしたくご送付差し上げます」

「神戸新聞の「記事で切手等の寄付を呼びかけているのを知りました」

「中国新聞に貴法人の『アジアの保健医療支援』のことが載っていました。我が家にも切手などで使用する予定のないものが少しありましたので、送ります」

そして、電話での問い合わせもたくさん。

最初は何が起こったのか???と、びっくり。

少しずつ謎が解けていきました。なんと、神戸新聞、中国新聞を皮切りに、年末まで全国の25紙で、シェアの活動と「集めて送る寄付」について紹介があったのです。

2015年を通して、のべ約1500件の「集めて送る寄付」へのご協力がありました。この数、2014年の5倍!


•書き損じハガキだけでも、11,403枚
    (約45万円相当の切手に交換)

未使用切手は、64.5万円相当。

使用済み切手も、102kg(約12万円に換金)

日用品などバザー品は、31万円の売上げ

BOOK募金は、約10万円

お宝やは、約2万円

ファッション・チャリティ・プロジェクトは、約15万円


合計すると、約180万円ものご寄付になりました!

みなさんが不要になったものを集めただけで、こんなに大きな支援に。

東ティモールの「身長・体重測定キット」だったら、900セット分。

カンボジアの乳幼児健診だったら、450回分。

在日外国人の医療通訳派遣だったら、180人分。

※「集めて送る寄付」で集まった書き損じはがきなどは、切手に交換し、その分節約した郵送費を活動資金として生まれ変わります。



そして、この嬉しい驚きは、3月になってまた別の形で訪れました。

雑誌「オレンジページ」にシェアの支援者さんの声を発見したのです!


「切手を送ってみると、すぐに礼状が届きました。何か良いことをしたようで気持ちがよいです」


全国の皆さまの温かいご支援に対して、シェアは一人ひとりにお礼状を送っています。昨年末は、その数が800名にも達しようという勢いでしたので、いつもお手伝いいただいている火曜(通う)ボランティアさんたちに、火曜日以外にも事務所に来ていただき、お礼状書きをお手伝いいただきました。

すぐにお礼をお伝えしたい、という思いが届き、お礼状を受け取った方が、「オレンジページ」に投稿してくださったのです。


シェアのもったいない活動が、着実に拡がっている。

こうして「ありがとう」という気持ちが連鎖していく。

全国のご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

そして、これからも、この「ありがとう」の連鎖をどんどん拡げていけたら嬉しいです。


**応援よろしくお願いいたします**
集めています書き損じハガキ!


支援者サービス担当 青木美由紀
2016-03-28 12:05 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2016年03月22日
「お得感満載」「ぐいぐいひきつけられた」シェア×地球のステージ合同イベントの報告
「いつも報告書で読んでいた活動が、迫力ある解説でよくわかった」
「自分が当たり前だと思っていることも、人に伝える大変さを改めて思い知った」
「体験・講義と盛りだくさんで良かった」「経口補水液の歌がすてき。日本でもやってほしい。」「進行がユニークで分かりやすく、楽しく参加できた」

1月30日に東ティモールで活動する2つのNGO、シェア×地球のステージ で開催した報告会で寄せられた感想です。参加して下さったのは、学生や会社員、保健医療関係者など、20代から70代の幅広い層の方々。早い時期から続々と参加申し込みをいただき、50名の定員が満員御礼でした。

以前から「いつか一緒にイベントを!」と話していたことがようやく実現したイベントでした。地球のステージとシェアは活動地や内容も近く、現地でもよく情報交換など協力し合っています。
地球のステージからは一時帰国中の駐在員 菊池陽さんが、シェアからは元駐在員で東ティモール事業担当の吉森が登壇しました。今回のテーマは「東ティモールの生活から見えること」。東ティモールの食を切り口に、体験型のイベントでした。

まずはアイスブレイキングからスタート。
お互いの良い印象探しから始まる自己紹介で、緊張感のあった会場の空気が一気にほんわかほぐれます。
大きなスクリーンに写真を写しながら、東ティモールの国の紹介や食事、医療事情などをご紹介。
菊池陽さんは助産師でもあります。参加者の方が妊婦の栄養状態を測る上腕周囲計を体験。
妊娠期の栄養状態が、出産後の子どもの成長にも影響があることなどを説明しました。

次は、食べものと栄養素を学ぶ、栄養ゲームの体験です。シェアが作成した教材で、東ティモールの小学校や母子健診の場で、実際に使っているものです。
「この食材はなんだろう?」「3色なのは日本と同じだね。」など見慣れない食材を、3つのグループに分ける作業は、どこのグループも参加者同士の会話も弾んでいました。

インドネシアが発祥の大豆の発酵食品「テンペ」や、ビタミンAが多く含まれるキャッサバの葉、甲状腺腫予防のためにヨウドが添加されているヨウド添加塩など、日本との違いを楽しんでいただけたようです。

休憩時間は、ほっと一息&体験タイム。東ティモールのお菓子やコーヒー、ハーブティーをお出ししました。
シェアが学校保健活動で広めている簡易手洗い装置tippy tap(※もともとはアフリカで始まったもののようです)を会場に設置。身近にある材料で、節水しながら清潔な水で手が洗える装置に、みなさん興味津々。たくさんの方に体験していただきました。

後半は、地球のステージとシェアそれぞれの支援活動報告を行いました。
地球のステージは、エルメラ県の1郡で保健ボランティアの育成やSISCaと呼ばれる移動型健診の地域保健活動を行っています。動画や写真を使って、現地の様子がよく伝わってくる発表でしたが、なんといっても会場を盛り上げてくれたのは、菊池さんのパワーあふれるトークです。これまで沖縄で助産師として働き、青年海外協力隊でインドネシアにも2年間行っていた菊池さん。思わず引き付けられる明るさと分かりやすいトークで、支援している保健ボランティアさんが村人にとって欠かせない存在になっていることや、道路事情の悪い農村山岳地で、作っている救急車搬送システムでは、村長など村のキーパーソンも協力してくれるようになったりと、地域に根差した活動が着実に実を結び、「村で健康を守る」しくみが進みつつあることが伝わってきました。

シェアも2013年まで隣りのアイレウ県全域で地球のステージと同じく、保健ボランティアSISCaと呼ばれる移動型健診や保健ボランティアの育成支援を行っていました。今では、その当時シェアアイレウ事務所で働いていた東ティモール人の元スタッフたちが、ローカルNGOを立ち上げ、県保健局と協力してSISCa支援を続けています。
地球のステージのスタッフも、元シェアスタッフから保健ボランティア育成や保健教材についての研修を受けたり、情報交換をしているそうです。シェアの活動を通して育成された人材やアイレウ県での活動が、他の県にも健康の輪を広げていることをとても嬉しく思いました。

今回のイベントを通して、シェアの保健活動に賛同してご寄付くださった方もいました。「共感力の高いイベントだった」「講義式でなく、トークがとても分かりやすく楽しんだ」というお声もいただきました。私も聞いてくださっている皆さんの温かいまなざしに、楽しみながらお話しすることができました。今回は、これまで東ティモールのスタディーツアーやイベントにたびたび参加して下さっている方も何名かいらしていて、久しぶりにお会いする顔に嬉しくなりました。これからも「また参加したい!」と思っていただけるようなイベントを開催し、支援の輪を広げていきたいと思います。

**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2016-03-22 10:32 | 記事へ | 東ティモール日記 |
タイ財団HSFとシェアの新たな歩み 〜パートナー団体となる〜
皆さま、サワッディーカー(タイ語で「こんにちは」)。タイ事業の広本です。タイ事業終了に伴い、この度最後の出張に行って参りました。出張前半は、これが最後と日々噛みしめていましたが、出張後半は怒涛のようにやってきて、あっという間に終わってしまいました。本ブログでは、その出張の様子を紹介します。

パートナーシップ・セレモニー
さて、今回の出張の一番大きな目的は、HSF(シェアから独立した前タイ事務所の新しい財団名:HEALTH AND SHARE FOUNDATIONの略)とシェアのパートナーシップ宣言を交わすセレモニーを実施することでした。2012年にHSFはシェアから独立しましたが、2015年12月までを現地化移行期間として、シェアはHSFの組織運営強化支援を実施してきました。そして、2016年以降、HSFとシェアがそれぞれ別団体として、今後協力関係を築いていくことを約束して、パートナーシップ宣言に署名を交わしました。

セレモニーには、この3年間HSFへの組織運営強化支援をして下さった生協総合研究所さま、前シェアタイ事務所のOB/OG、過去の活動時代の関係者がタイ国内から、そして日本から大勢応援に来てくださいました。シェアからは本田代表理事、前タイ事業担当の西山、タイ事業担当の広本が出席しました。そして、HSFのジン代表、シェアの本田代表理事、生協総合研究所の古田先生より、それぞれ新しい道に向かってスピーチが寄せられました。そのスピーチの一部を紹介します。

シェアの本田代表理事によるスピーチ
「『卒業式』とは、新たなスタート、今後成長するための新しいチャンスのひと時でもあります。このパートナーシップ・セレモニーは『卒業式』とも呼べます。HSF関係者、長年の支援者、そして生協総合研究所のみな様と共にこの卒業式を共有できたことを、非常に嬉しく名誉に思っております。・・・(中略)・・多大な感謝と賞賛を込めて、今後シェアはHSFとの絆と連帯を継続し強化していきます。」
 (*スピーチ全文は、後日機関紙にて紹介する予定です。)

セレモニーのクライマックス
セレモニーの最後には、タイ人が願いを込めてバイシー(白い紐)を結び、日本人を送りだして下さいました。タイ東北地方では、人を送り出す時に、健康と幸せ、交通安全を祈って、バイシーが結ばれる伝統文化があります。

HSFの現地化と組織運営強化に関する意見交換会
セレモニーの翌日は、シェアによるHSFへの組織運営強化支援を3年間サポートして下さった生協総合研究所さまとHSF、シェアによる意見交換会を行いました。HSF事務局長のチェリーが、現地化からの学びを共有し、その後活発な質疑応答となりました。生協総合研究所さまからは、地域の人々が自ら健康問題を解決できるような地域づくりをしていることが、活動視察からもよく分かり、3年間の支援の成果が実感できたとお言葉をいただきました。

おわりに
2008年から現地化準備を始め、2012年に財団法人化、そして2015年に組織運営強化支援が終了し、現地化の全体プロセスだけでも8年間かかりました。特に2015年は、HSFのスタッフと理事が一丸となって、組織の財政確保に必死になって取り組んできました。少しずつHSFの課題を克服しながら、2016年が開始しました。これからHSFはシェアのパートナー団体として、対等な関係で歩んでいきます。シェアから本当の意味で独立したHSFに、皆さま暖かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

タイ事業担当 広本 充恵

**応援よろしくお願いいたします**

HSFの活動に賛同して下さる方は、下記のサイトからご寄付のご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。(下記サイトの左下の「Donate」ボタンをクリックして下さい。
http://healthandshare.org/en/
2016-03-22 10:17 | 記事へ | タイ日記 |
2016年03月14日
Dr.本田徹のひとりごと(61) 
タイ財団HSFとシェアの「卒業式」 −新たな2か国草の根パートナーシップ形成に向けて−



タイ財団HSFとシェアの「卒業式」
−新たな2か国草の根パートナーシップ形成に向けて−
 


とっても久しぶりにご報告を寄せます。

1990年以来、NGOシェアは東北タイ(主としてウボン県)の村落部で、地元の人びとのお世話になりながら、保健活動に従事してきました。看護師の工藤芙美子さんを中心に、ヤソトン県のシケウ村で下痢予防対策に取り組みました。保健ボランティアたちとの協働を通して、住民どうしの気づき合いを創り出していく、プライマリ・ヘルス・ケアの活動と位置付けられるものでした。結果として、飲み水やタイ式トイレの利用、環境衛生に関する住民の認識や行動が改善し、下痢疾患が著明に減少する成果をあげ、東北全体でシケウ村の保健ボランティア活動は表彰され、一つのモデルケースとなります。1994年からは、活動地をアムナッチャラン県やウボン県に移し、当時深刻さを増していたHIV/AIDSへの地域での予防啓発活動、日和見感染症治療支援などに取り組むようになります。
こうした活動の過程でHIV陽性者による自助グループが、県や郡の病院で徐々に形成され、2003年ころからタイでも導入されるようになった、安価な抗ウイルス薬(ARVs)治療の普及が、陽性者や患者さんたちのエンパワメントを助ける大きな流れを作っていきます。
2008年には、ウボン県の中でも、HIVの新規感染者数がなお多く、ラオスからの移住労働者が種々の健康問題に直面する、メコン河沿いのケマラート郡に活動地を移し、それとともに、子どもや性的マイノリティの問題にも、スタッフは果敢に取り組むようになります。
同時に、長年の懸案だったシェアの現地法人化の準備をすこしずつ進めていきました。2012年にタイ人スタッフが立ち上げた、現地法人HSF (Health and SHARE Foundation) が、3年間の移行期間を経て、完全独立することとなった今年3月の節目に、私は、ケマラート郡とウボン市を、日本からの同行者とともに訪れました。

駆け足での現場の活動見学でしたが、HSFがケマラートのHIV陽性者やラオス人移住労働者のコミュニティによく溶け込み、彼らの信頼を勝ち得ていることを実感できました。それにしても、やはりたいへんなのは、活動資金の確保です。ぎりぎりの綱渡りでスタッフ5人はがんばっているのですが、タイ人特有の明るさなのか、「なんとかなるし、していくさ」といったところが頼もしいようでもあり、ちょっと危なっかしい感じもあります。ともあれ、一緒に卒業式を迎えた仲間としての責任や、今後もパートナーとして、実りある連携を続けていくことの必要性を痛感しました。
タイはすでに中進国であり、援助の必要などないといった議論もよく聞きますが、国境をはさんで常にラオスやカンボジアやビルマからの難民や移住労働者の課題に直面し、それに対して少なくとも保健・医療の面では、人道的でリーズナブルな受け入れ体制を整えてきた、タイの経験から、日本政府や日本人が学ぶべきことは多くあります。コマーシャルセックスに関わるヒューマン・トラフィッキングで、なお国連の女子差別撤廃委員会や米国務省などから、批判を受けるような犯罪が、この国ではあとを絶たず、十分な対策が取られているとは言えない現状があるのです。

卒業式で私が、HSFの代表理事(シーサケット県保健局長が公職)のDr. Jinnと交わしたのはパートナーシップ宣言書と、互いのエンブレムでした。写真で私が抱えているのは、HSFの団体としてのロゴマークですが、その意味するところは、二人のひとが互いに力を合わせてひとつのハートを大切に運んでいる姿に見えます。タイ語で、「ナムチャイ」(水のこころ)は、「思いやり」を意味することばですが、HSFはまさに、地域住民と共に働く事を通して、このナムチャイを実現したいのだと、事務局長で看護師のチェリーさんは言っています。
一方、Dr. Jinnが持っているのは、デビッド・ワーナーが2009年に来日したとき、シェアのために描いてくれた絵で、「弱さから力が生まれる -- From Weakness, Strength」というメッセージを語っています。古代中国の陰陽思想に言う、ネガテイブがポジテイブに変る、という逆転の教えを、かわいい白アザラシの子二匹が抱き合っているような図で表しています。これは、メキシコで障害を持った若者が、すぐれた傾聴能力や「ナムチャイ」をもった保健ワーカーに育っていったという自身の体験から生まれた確信だとデビッドは言います。

最後に紹介するのは、チェリーの息子・プーピアン君(1歳半)。去年5月に私がケマラートを訪れたときには、彼はまだ首も座らないくらいの赤ちゃんだったのに、いつの間にかしっかり歩き、HSF事務所の皆からかわいがられ、共同保育されている感じとなっています。
プーピアンの意味するのは、「高い山」だそうで、水のこころに通じる、母親チェリーの思いが伝わってくるような、すてきな名前だと思いました。HSFとともに、この子がすこやかでおおらかに育っていってくれることを祈らずにいられません。
今後HSFとのパートナーシップをどう展開させていくべきか、シェアとして克服すべき課題や困難はいろいろありますが、最善を尽くしていきたいと思います。皆さんからのご支援やご助言をいただけるとたいへんありがたいです。


2016年3月9日
シェア代表 本田 徹

3月19日(土)には、タイ事業最終報告会「組織運営とプロジェクト運営の自立〜インタビューで振り返る、タイ事業の26年〜」が行われます。



**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2016-03-14 14:19 | 記事へ | 東京事務局日記 |
「書き損じハガキキャンペーン2016」ご報告♪
支援者サービス担当/もったいない活動担当の青木です。

年末年始に行っている「年賀状書き損じハガキキャンペーン」。
今年も147名の支援者のみなさまのご協力で、2月29日時点で目標の2016枚を上回る3584枚が集まりました!ご協力いただいた皆さま、大変ありがとうございました!

毎年、協力をしてくださる人、そして枚数も増えており、着実に定着してきていることを感じます。

そして、何よりも嬉しいのは、一緒に添えられているメッセージ。
全国のみなさんからの応援エールや、感謝の気持ちがたくさん詰まったメッセージに、スタッフ一同、また頑張ろう!という気持ちになります。

•細やかなお手伝いしかできませんが応援しております(東京、Hさん)
•まだ子どもが小さく、イベントなどに参加できないのですが、このハガキがささやかながらお役に立てれば幸いです(東京、Nさん)

•少しで申し訳ないですが、書き損じハガキキャンペーンに参加させていただきます!(宮城、Kさん)

•封筒、グッドアイディアですね。少しでもお役に立てれば嬉しいです。支援の輪が広がると良いですね。(新潟、Fさん)

•不要になったハガキを利用していただけたら、こちらも嬉しいです(兵庫、Tさん)

•日々の努力がきっと報われると信じております。お身体くれぐれもお大事に(大分、Mさん)

•こんな片田舎の農家でも、多少の手間で国際ボランティアに参加させていただけることに感謝!これからも応援します!(愛媛、Nさん)

•素敵な活動に感謝しています(京都、Oさん)

•少しでもお役に立てますように(沖縄、Hさん)


みなさんから届いたハガキの中には、未使用の年賀ハガキもたくさん。それらのハガキは、5円の手数料をかけて交換するのはもったいないので、こんなかわいいスタンプが押されて、活用されます。

これからも、シェアのもったいない活動へのご参加、どうぞよろしくお願いします♪


**応援よろしくお願いいたします*
書き損じハガキの行方は、
ハガキ君の旅〜集めています、書き損じハガキ〜
をご覧下さいね。
2016-03-14 14:16 | 記事へ | 東京事務局日記 |
カンボジアで車をもつということ
2週間前、日本からの訪問客を活動地まで案内させていただきました。
もうすぐ子どもたちが乳幼児健診のために集まっている民家に着くというときに、パンク。

まわりはカンボジアの農村で、州の主幹道路脇でもないのでオートバイや自転車の修理屋もゼロ。
JAFみたいなのがあればと思いつつ、そういうサービス実現はこのカンボジアでは、いつのことやら。
とにかくここでは何でも自分でやる。自分の問題は自分で乗り越えるのが当たり前。

乾季に入り、「暑い、もっと暑い、一番暑い」という三つの季節しかないカンボジアで、今は『暑い』時期。朝8時半にはもう立ってるだけで汗が出る。
炎天下、シェアの運転手兼プログラムスタッフのヒエンが工具をだしてタイヤ交換し始めたところ、交換できなくはないけど、この車には適していない工具でした。というわけで、これまたあるものを応用し、やっとタイヤが外れ、予備のタイヤを着けようとしたところ、かなり古いタイヤでグリッド(溝)が浅く、タイヤは薄くほぼ丸い状態。

これを見ていた訪問客もおもわず「これ、すごいですね。」
こちらとしては、アドミ担当のスタッフ ヘンに、節約してくれているのは大感謝。でも、つい忘れかけてる『日本人の他人の目』が気になり、汗…。

首都プノンペンから活動地プレイベンまで、片道軽く100キロを超える距離を毎週往復する足は車しかない。
シェアで所有しているベストカーはこれ。

今日までの走行距離は86,687キロ。1年に1万キロの常識はここでは当てはまりません。そして、カンボジアの道路はかなり良くなってきてはいるけど、いったん主幹道路から外れるとでこぼこだらけの道で、車もしょっちゅう修理が必要になります。砂ぼこりもひどく、エアコンの中も砂まみれで、エアコンの風とともに車内に細かい砂が舞うのです。スタッフはクロマー(カンボジアの万能布)でマスクをしたりするほど。

私自身、車は特に好きでもなく、あまり知りたいとかも思わないけど、あまりにメンテナンス費用がかかるために放っておけず、ネットで調べたり、人に聞いたりしながら修理に出すかどうかの決断をする日々。この部分の仕事は気が重くなるモーガンでした。

モーガン三恵子
シェア・カンボジア事務所代表


**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2016-03-14 14:05 | 記事へ | カンボジア日記 |
2016年02月29日
実は物を送る国際協力じゃないんです。−金森さんと作るぬいぐるみワークショップ−
バレンタイン・デーに、ドキドキしながらチョコをプレゼントしたり、もらったりした思い出のある方もいらっしゃるでしょうか。バレンタインといえば、 以前は本命チョコか義理チョコでしたが、最近は「友チョコ」を楽しむイベントに変化しつつあるようですね。シェアでは、そんなバレンタインのイベントとして、カンボジアの子どもたち贈るぬいぐるみワークショップを開催しました。

ぬいぐるみづくりを教えて下さるのは、シェーちゃんアーちゃんぬいぐるみの生みの親、ぬいぐるみ作家の金森美也子さんです。いつもご協力いただいているイリヤプラスカフェ@カスタム倉庫をお借りして、木のぬくもりを感じるほっこりスペースでの開催でした。

ぬいぐるみづくりをする前に、シェアスタッフからカンボジアの子どもたちを取り巻く状況や子どもの健康を守る活動についてお話しします。
シェアのぬいぐるみワークショップは、"物のない貧しい国"へぬいぐるみを送るのが目的ではなく、カンボジアの子どもたちのことを知り、身近に感じて、乳幼児健診活動を応援する、双方向のイベントなのです。

そしていよいよぬいぐるみづくり!
金森さんの「いろんなうさぎがいていいんですよ〜」「自由に作って〜〜。」という説明に、みなさんリラックス、
そして時には黙々と集中して。。

参加者のみなさんは、シェアのイベントが初めての方から、スタディツアーで海外の活動に参加した方までさまざま。「カンボジアではどんな食べ物を食べるの?」「子どもたちの家庭にはおもちゃはあるのかな?」などなど、手を動かしながらお話しも弾んで、ぬいぐるみができあがるころには、将来は国際協力に参加するにはどうするか、しっかり情報交換している方なんかもいらっしゃいました。

みんな順調にぬいぐるみは完成!シェアボランティアの方が作ってくださったカンボジアの布「クロマー」でできた特製リボンをかけて、かわいく仕上がりました。

そして、お待ちかねのカフェタイム。
イリヤプラスカフェおすすめのバナナケーキをいただきました。
お茶を飲みながら、みなさんから感想を伺いました。
「縫い物は小学校以来だったけど、アットホームな雰囲気で楽しく作れてよかった。」
「自分の作ったぬいぐるみが、カンボジアの子どもたちに届くことが嬉しい。」
「同じ関心を持つ人と出会えた。これからもつながっていきたい。」
「金森さんのファンでボランティアにも興味がありました。自分の楽しみだけでなく、赤ちゃんの健診に役立つなら嬉しいです。」
「初めてこのようなイベントに参加しましたが、思ったより気軽にボランティアができることが分かりました。」
「愛知から新幹線で来ました。」という方もいらっしゃって、その行動力にみんなびっくり!
「いろんな人に出会えて楽しかったのでまた来たい。これからもワークショップ開催してください!」と言っていただきました。

アンケートでも、「健診を受けて元気に大きくなってください。日本から見守っています。」というカンボジアへのメッセージをたくさんいただいて、カンボジアの子どもたちへの気持ちにあふれていました。まさにバレンタインですね!
そしてぬいぐるみたちは、ほら!こんなにかわいくできました!

シェアスタッフだけでワークショップをしているときはこんなにきれいにできないんです。
金森さんの説明はとてもシンプルで自由なのに、すごいなと思いました。

最後に、金森さん自身も、このワークショップをシェアと開いていることで
「自分にできることで国際協力をしている私の居場所でもある。」という気持ちをお話ししてくださいました。

今回ご協力いただいたぬいぐるみは、これまたいつもご協力いただいているボランティアさんが、3月にカンボジアへ届けてくださる予定です。
シェアの命を守る活動は、温かい思いを持つたくさんの方々に支えられています。
この場を借りて、ご協力いただいたみなさまに心より感謝します。

シェア東京事務局 カンボジア事業担当 山脇 克子

**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2016-02-29 11:49 | 記事へ | カンボジア日記 |
通訳が感じている心の負担を軽減するために、私たちができること
こんにちは。この2月にシェアで働き始めて3年目を迎えた、在日外国人支援事業部アシスタントの横川です。年齢を重ねれば重ねるほど、1年が短く感じる今日この頃です。

東京都外国人結核患者に対する支援員(通訳)とは
 私が主にシェアで担当している業務は、東京都外国人結核患者に対する治療・服薬支援員(通訳)の派遣調整です。日本に住んでいる外国人の方が結核にかかると、保健師から結核の治療を継続・完了するために様々な説明があります。その際に、言葉の問題から通訳が必要だと保健師が判断した場合に、保健所の依頼を受けて東京都から支援員の派遣依頼がシェアにきます。現在、支援員は14言語、44名の登録があります。例年ですと派遣件数は170件前後ですが、去年は非常に多く241件の派遣があり、通訳の需要が増しているのを感じます。

聞こえてくる支援員さんの心の叫びを
 日々、私たちは支援員さんと電話や報告書などで、丁寧なコミュニケーションをとることを心がけています。なぜなら、シェア、保健所、病院や患者との間に挟まれる支援員さんに過度な負担がかかっていないか、問題は起きていないかを私たちが把握し、サポートするための糸口を見つけるためです。

 昨年、支援員さんとの電話や報告書でのコミュニケーションをとる中で、このような言葉が聞かれました。
「患者さんが医療を受けるのを拒否しています。通訳として何もできないと感じた。」
「話し合いの場での通訳だったが、すぐに結論が出る問題でなかったため、虚しさが残った。」
患者さんに寄り添えば寄り添うほど感情が入り、このような言葉が聞かれます。そのようなとき私たちは、支援員さんに電話をかけ、じっくり話を聞き支援員さんの気持ちに寄り添うように心がけています。

また、ある時は違う支援員さんからこのような言葉を聞く機会がありました。
「シェア以外の通訳の時は、一人でその現場に行くんです。毎回、人の命を左右するかを思うと自分の命が縮まる気がします。一度きりですし、挽回はできません。」
シェア以外の通訳の時ですが、自分の命が縮まる思いをしてまでも、日本に住んでいる同郷の方のために頑張っている支援員の言葉に胸を打たれる思いがしました。それと同時に、通訳を行った際に沸き起こった気持ちを、どこかで誰かに吐き出すための、安心できる場が必要だと強く感じます。

気持ちのもやもやから、サポートの糸口を探せ 
 このような支援員さんの心の叫びを聞き、サポートするための糸口を探るために、支援員を対象にしたフォローアップ研修で話し合いの場を持ちました。テーマは「通訳後にもやもやしてしまった体験」とし、支援員さんの「心のもやもや」をグループで出し合い、話し合ってもらいました。国籍も多様な20名の支援員さんから、患者さんの治療完了を願うがゆえにつのる、保健師やシェアスタッフへの要望や、患者さんや医師などへの思いなどがたくさん出ました。そのため、少しでも解決に向かうために、シェアと東京都の保健師と共に話し合いの場を持つことができました。支援員さんからの研修後のアンケートでは、
「意見交換の時間がもう少し長くあれば良かった。」
という声が聞かれ、支援員さんの気持ちを聞く場の必要性を感じます。

私たちにできること、支援員、NPO、医療従事者が共に話し合う
支援員さんは、患者に対する守秘義務が課せられます。通訳に行った現場で、湧き出てくる感情を家族や友人に話すことができない状況にあります。そのため、シェアとしてできることは、安心する場で、同じ支援員という立場の者同士で話し合うことや、状況を知っているシェアのスタッフと話をする場を作ることです。また、支援員は患者さんの支援者の一人であり、私たちシェアのスタッフも患者さんにとって、支援者の一人です。医師や看護師、保健師さんも含めて、多くの支援者が問題を共に話し合い、解決するための糸口を探すことが、結局、患者さんにとって一番良い支援を提供できる気がします。今後も支援員を含めた支援者と共に考え、話し合い、解決に向けて努力していきたいと思います。

在日外国人支援事業アシスタント
横川 峰子


**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2016-02-29 11:47 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
次期インターンへ、バトンタッチに向けて
こんにちは。
2月7日(日)、18日(木)の2日間に分けて、2016年度インターン説明会を開催しました。今回は、インターン秋山、中村、小野寺の3名でご報告いたします。

【インターン説明会に向けて】
シェアでは、来年度(2016年度)のインターン募集が始まっています。一人でも多くの方にシェアのインターンを知って応募して頂きたく、そして、次期インターンへインターン業務のバトンタッチに向けて開催した本説明会。インターン説明会は、企画から運営・開催まで毎年インターン中心で行います。そして、今年度のインターン全員が一致団結・協力して行う最後の一仕事です。企画の準備段階では、より多くの方にインターン説明会の開催を知って頂くため、シェアのホームページ上だけではなく外部関連先に広報をしました。 どれだけの方から申込みが来るのか、ドキドキして待っていましたが、私たちの予想を超える16名もの方々(学生、社会人、医療関係者)から参加申込みがあり、このうち10名の方が忙しい合間をぬって説明会に足を運んで下さいました。

【説明会当日の様子】
第1回目(2月7日(日))の説明会当日の天気予報は雪。交通機関の影響で参加者が来られなくなってしまうのではないかと心配しましたが、とても良いお天気に恵まれ、休日にも関わらず5名の参加者が来てくださいました。初めてのインターン説明会の運営に緊張しながらも、各自のプレゼンテーションを行いました。参加者はメモをとって真剣に聞いてくださったり、これまでに出たことのなかった質問もあったりと、私たちインターンにとって刺激となった説明会初日でした。説明会後の振り返りでは、より伝わるプレゼンテーション方法をインターン同士話し合いました。第2回目(18日(木))の説明会は、夜19時からの開催でした。初日の反省点を活かして臨んだ2回目の説明会。仕事帰りに駆けつけてくださった方や春休み中の学生さんが来てくださいました。参加者からは、インターン業務の詳しい内容やインターンと仕事の両立に関する積極的な質問が沢山あり、個別相談会は遅く(22時30分近く)まで続きました。両日とも、とても熱心な方々が参加してくださり、その姿からシェアでインターンを始めるときの自分達の姿を思い出しました。

【説明会を終えて】
説明会が終了し、参加者の方に感想を聞いてみると、「実情と現状を明確にわかりやすく正直に伝えて下さり、素晴らしいと思いました」というお言葉を頂きました。プレゼンテーションの構成や発表など、これまで経験したこともなかったことがインターンをすることでできるようになり、自分たちの成長を感じることができました。1年間を通してそれぞれの仕事を一所懸命に取り組んできた成果なのではと思うと嬉しい気持ちです。
また、他の感想には、「具体的に仕事のイメージができたのでよかった」、「仕事との両立が可能か心配だったがやってみたい」などの声がありました。インターンに興味はあるけれど、不安を持っている方は多いのですが、参加者の声を聞いてみると、応募に前向きな意見もあり、今回のインターン説明会は大成功だったのではないかと感じました。参加してくださった方の中から、是非来年度のインターンが決まってくれたら良いなと思います。


来年度インターンの募集は2月29日(月)まで募集しています。応募締め切りまであと6日!たくさんの方からの応募をお待ちしています。
インターン募集の詳細はこちら


**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2016-02-29 11:45 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2016年02月22日
【インタビュ−後半】
エルメラ事務所創設期時を支えた立役者 シコさんに本田代表が聞く


前回に続き、本田代表からシコさんへのインタビューの後半をお届けします。
また「劇団シェア」が演じた保健劇2本の映像を、初めてシェアスタッフやシコさんたちに見てもらいました。同じ劇を、日ごろ東ティモールでの学校保健活動で広めているシコさんたちの感想も、合わせてお伝えします。

【インタビュー後半】
本田さん:シコさんはなぜ看護師を目指したのですか?
シコさん:実は、もし戦争がなかったら、神父になりたいと思っていました。
本田さん:本当ですか!それは驚きました!!
シコさん:ええ。実はそうなんですよ(笑)
小学校3年生の時にポルトガル植民地が終わりました。その後すぐにインドネシアが入ってきてからも私は学校を続け、看護師の道に進むことにしました。クリニックができ、そこで働くことになりました。初めはボランティアとして2年間、給与は3カ月で米ドル換算3ドルでした(※当時の紙幣価値では十分に生活できる金額とのこと)。
私は末っ子で、家族では唯一学校に行かせてもらったのです。現在、私の家族はみな学校に行っていますが、当時はそういう時代でした。私が母のお腹にいるときに、父が亡くなりました。母は半身不随で、1983年に亡くなりました。(※補足:シコさんはインドネシアからの独立闘争の時代、看護師としてゲリラの地下活動を支えていたこともあったそうです。今、シコさんの2人の娘は省庁職員と医師として活躍しています。)

本田さん:シェアと活動をしたことで、なにか自分の仕事で活かせるようなことはありましたか?
シコさん:日本から来た助産師や医師と一緒に仕事をして、聴診器の使いかたや病気の見つけ方など、様々なことを学びました。助産師の川口みどりさんとは、バイクに一緒に乗り、村での出産に立ち会ったことも覚えています。今の私には学校保健トレーナーとしての役割もあり、保健教育のやり方などシェアとの活動で身につけました。

本田さん:シコさんはいつもユニークで、みんなを楽しませていますね。
シコさん:私は明るく楽しくするようにして、人々のお手本になれればと思っています。時々、学校の先生になればよかったのに、と言われます(笑)。
私はいつも人のためにと思って仕事をしています。人の役に立てる仕事はうれしいものです。お金でなく人のために働いていれば、神様がきっと見ていてくれるでしょう。

本田さん:医療者として働くシコさんが、次の世代に伝えたいことはありますか?
シコさん:私が仕事で大切にしていることは、遅刻せず、時間通りに働く、といった公務員としての規律です。特に医療者は、他の公務員とは違う対応が必要です。夜に寝ようとしているときに、戸をたたき、訪ねてくる人がいれば行かなくてはいけません。僻地の村での移動型健診でも、多くの村人が来て一日中働いて「さあ、休憩」と一休みしていているところに、住民から声をかけられたら対応します。
常に自分に問いかけているのは、自分の役割を全うすること。医療者として果たすべき仕事は何だろうと考えています。若い人たちには、「恐れるな」そして「疲れていてはいけない」と伝えたい。たとえ給料は安くても、人のために働くことは意義あることだと思っています。

【日本での保健劇の映像を見たスタッフや県レベルトレーナーたち】
村人や子どもたちに、わかりやすく病気の予防方法を伝える「保健劇」はシェアの各活動地で行っていますが、東ティモールでも10年以上前から実施しています。そのテーマはマラリアや、風邪、妊婦健診の受診促進などいろいろです。
本田代表が脚本を書いた劇「はらいた」に出てくる、寄生虫に罹ってしまう主人公の「少年シコくん」は、看護師のシコさんの名前を拝借したそうです。
日本でもグローバルフェスタやシェアの新年会、イベントなどの場で、現地での活動を紹介するために、本田代表をはじめとするシェアのスタッフや理事、ボランティアがこの劇を上演しています。今回、昨年8月のイベント、東ティモールカフェで演じた2つの劇、寄生虫予防の「はらいた」と結核予防がテーマの「酔っ払いの代償」をシコさんたちに見てもらいました。

劇を見たスタッフや学校保健トレーナーたちからは、
「シンプルでどんな人にもわかりやすい」「学校に行ってない人もわかるような内容だ」と言ったほか、「保健省でもこういうビデオを作って、僻地の村でも上映して住民に見てもらったらいいよね。」「習慣を変えるのは簡単なことではないが、こういう劇を繰り返し見たら、良い生活習慣に変えていけるかも。」など、いろいろなコメントがありました。
 この劇に現役の医師である本田代表もコミカルに演じている様子を見て「東ティモールでも、本田さんがしているように、社会的地位が高い医師が劇を演じて、村人に見てもらって健康の大切さを伝えられたらいいなあ。」という声もあがりました。
学校保健活動でも、児童保健委員会の子どもたちが劇をすると、たくさんの児童生徒が集まって盛り上がるのだとか。子どもたちに劇を教え、その効果を実感している彼らだからこそ、人々の意識を変えるために、もっといろんな人を劇に巻き込みたいという気持ちを持ったようです。

**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2016-02-22 14:01 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2016年02月16日
子どもの健康改善活動の自立へ。郡保健局の意気込みは?
協議の積み重ね

今回は変化が見えてきたプロジェクトのハンドオーバーのお話。

去年11月のブログ「カンボジアでの次の活動が始動します!」でも紹介しましたが、プレイベン州スバイアントー郡での活動は、第3フェーズのハンドオーバープロジェクトが始まっています。

11月から3ヵ月が経過し、その間に郡保健局との協議が2回。
11月には、郡保健局長のトン・トールさんとこぢんまりと局長のオフィスで話し合い。第3フェーズをもち5つの保健センターを主体にしたスバイアントー郡への支援を完了とするシェアの意向と、今後の子どもの健康増進活動の継続について話し合いました。


12月の協議では、局長の意見で郡保健局から副局長と母子保健担当官のミエン・ムンさんが参加。そして、シェアが7年間支援してきている5つの保健センター・スタッフと、新たにそれぞれの地区から地区評議会委員にも参加してもらいました。
この協議では、シェアカンボジアのプログラム・リーダーのフンさんが上手にファシリテーションを行い、会議の終了時には、子どもの健康増進活動のメインである乳幼児健診活動の継続は全員一致で賛同されました。そして、郡保健局、保健センターのそれぞれの役割、活動計画とタスクが全参加者からすでに出されていました。



主体的に活動するキーパーソンたち
シェアは、3ヵ月ごとに各保健センターで開かれる保健ボランティア会議を支援しています。ですが今年1月に開催された会議では、これまでシェアスタッフが行っていた、会場準備、ボランティアさんの登録、会議進行役などを2〜3の保健センターではほぼ自分たちで運営していました。その時にも郡保健局長や母子保健担当官が参加。局長のトールさんのスピーチでは、これからはシェアが教えてきてくれたことを自立して継続していくこと、ボランティアさんたちは村の主要動力であり、保健センターの活動を常に評価してくださいと話していました。

11月には活動の継続に当たって郡保健局の人材不足を懸念していた局長のトールさんですが、最近では人材不足を懸念する発言がなくなりました。
そして、母子担当官のムンさんが精力的に、シェアが支援している5つの保健センター以外の保健センターに対しても乳幼児の栄養状態を把握するよう奨励しています。そして、ボランティアさんが子どもの栄養状態を記入できるようシェアが作成・配布してきたボランティアノートの使い方をムンさん自ら説明し、ボランティアさんだけでなく保健センターでも使うように指導していました。

11月からゆるやかに仕掛け始めた業務や責任のバトンタッチが早くも芽が出だしました。こんなに早く反応が出るとは驚きです。さて、今後どうなっていくでしょう。楽しみです。


モーガン三恵子
シェア・カンボジア事務所代表


**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2016-02-16 09:48 | 記事へ | カンボジア日記 |
2016年02月08日
ミュージカルの持つ力に感動〜ミュージカルだから伝わる在日外国人支援のメッセージ〜
日本に住む外国人の健康支援事業を担当している山本です。
本日は1月17日にホットジェネレーションが公演してくださった、シェアとのフレンドシップミュージカルについてご報告します。

ホットジェネレーションは、ボランティアにてアーティストを募り、音楽・ダンス・アートのレッスンを子ども達に提供しています。オリジナルミュージカル公演は、TV、新聞、雑誌などでも紹介され、健常児と障がい児の一体となったパフォーマンスとプロのアーティストとの共演は多くの共感と反響を呼んでいます。これまで、カンボジアやタイにおけるシェアの活動からオリジナルのストーリーを作り、フレンドシップミュージカル公演を開催してくれています。
今回は、シェアの在日外国人支援活動を題材に結核やエイズなどのテーマも織り込んだオリジナルストーリーを作り演じてくれました。その名も「Stars〜名もなき星たち〜」です。


在日外国人支援のテーマを取り扱うことでの不安
シェアは、日本に住む外国人を対象とする健康支援活動を多くのみなさんに知ってもらいたいという強い思いがあります。そのために事例などをストーリーとして紹介すればもっと分かりやすく伝えられると思うのですが、国籍と性別、年代、病状などが分かれば、名前など無くても個人が特定されてしまうほど、外国人コミュニティによっては小さく、狭い世界となっていることがあります。
また、この分野の特徴として、普段なじみの無い外国人をとりまく制度のことなど、一言では伝えられない情報が多く、誤解を生むこともあるため、これまでは、講義や参加型ワークなどのツールを使った活動紹介・啓発しか行ってきていません。
今回このようなミュージカルで活動を取り上げてもらえるという機会は初めてで画期的であり、チャレンジでもありました。

正直、脚本家の方と打合せをする際には、外国人の方々の置かれている現状やシェアの活動を1時間程度の打合せでどれだけお伝えできるのか不安でした。不安が顔に出ていたのか、「安心してください!」と作品に対する自身に満ちた力強い声かけをしてくださったことで、ハッとしました。この方々は“作品作りの”プロなんだ、と。私達の話しに耳を傾け活動に理解を示してくださり、打合せ終了後はどのようなストーリーになるのかわくわくしたのを覚えています。


練習風景で感動し涙が・・・
広報担当の飯澤がホットジェネレーションのミュージカル練習風景を見学に行く予定にしていたため、山本と同じような理由で少し不安を持っていた副代表の沢田と2人で練習会場を訪問しました。訪問してみると、不安はどこへやら。すばらしく感動をして涙を流して帰ってきた、という報告でした。「素晴らしい皆さんの演技に、そしてストーリーのメッセージに不覚にも涙が出ました。ミュージカルの持つ大きな力を感じました」という沢田の感想。シェアスタッフの間で、早くミュージカルを観たい!という想いが強くなりました。


当日の来場者数に驚き
当日は、2回公演でしたが、どちらも200名越えの来場者で驚きました。シェアの講演会などの参加者は、多くても1回50名程度です。しかも演じている子役のご家族など、シェアと普段接点の無い方々がたくさんいらしていました。
目がきらきらした子どもたちが一生懸命演じながら歌って踊っているだけでも胸が熱くなり感動したのですが、シェアが活動を通して伝えたいメッセージの「核」となっている大切な部分を「心」に訴えかけてくれたように感じ、ミュージカルの驚くべき力を知ることができました。このような貴重な機会を与えてくださったホットジェネレーションの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
終了後は、チャリティーグッズ購入や寄付、ボランティアにご協力してくださるなど、みなさまから温かいご支援をいただきました。この場を借りて皆さまに感謝の気持ちをお伝えしたいです。

ミュージカルの様子は、ホットジェネレーションのブログでご覧になれます。


当日の来場者数に驚き
当日は、2回公演でしたが、どちらも200名越えの来場者で驚きました。シェアの講演会などの参加者は、多くても1回50名程度です。しかも演じている子役のご家族など、シェアと普段接点の無い方々がたくさんいらしていました。
目がきらきらした子どもたちが一生懸命演じながら歌って踊っているだけでも胸が熱くなり感動したのですが、シェアが活動を通して伝えたいメッセージの「核」となっている大切な部分を「心」に訴えかけてくれたように感じ、ミュージカルの驚くべき力を知ることができました。このような貴重な機会を与えてくださったホットジェネレーションの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
終了後は、チャリティーグッズ購入や寄付、ボランティアにご協力してくださるなど、みなさまから温かいご支援をいただきました。この場を借りて皆さまに感謝の気持ちをお伝えしたいです。

ミュージカルの様子は、ホットジェネレーションのブログでご覧になれます。


在日外国人支援事業担当
山本 裕子


**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2016-02-08 12:16 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
活動地で大ブームを起こしているMSMが行う性教育!! 〜人材育成の成果〜
みなさま、サワッディーカー(タイ語で「こんにちは」)。もう今年も2月になりましたね。2月といえば、バレンタインデーがありますね。日本では、バレンタインデーといえば、女性が男性にチョコレートをプレゼントする習慣がありますが、さてタイではどのようなバレンタインデーを迎えるのでしょうか。第三の性といわれる多様な性の人たちに、バレンタインに何をしているか、実際に聞いてみました。

<質問>恋人がいたら、あなたはバレンタインデーで何をしますか。
<回答>
トムボーイ(男性の格好をした女性、性の対象は女性):「精一杯の愛を込めて、花をあげます。」
MSM(男性を性の対象とする男性):「自分を捧げたいです。」
トランスジェンダー(身体は男性、性自認は女性):「私は愛している人に花をあげたいです。トランスジェンダーでカップルになる人は少なく、男性はあまりトランスジェンダーの女性に花をくれません。私は好きな人のお世話をしたいので、花をあげるタイプです。実際は、カップルの関係によりますが。最近は、社会の変化もあり、男性だからあげるとか女性だからもらうという習慣はなくなっています。」
若い女性:「最近の流行はカップルでデートに行きます。男性が女性にバラの花やチョコレートをあげることが多いですが、人によります。」

結局は、社会も性も多様化し、人それぞれだという結果になりました!

MSMという言葉はあまり日本では浸透していない言葉ですが、男性を性の対象とする男性のことを指し、Men who have Sex with Menの略です。

MSM対象のエイズプロジェクト立ち上げ
タイでは、HIV感染率は1.1%(成人人口比)と減少したにもかかわらず、MSM間のHIV感染率が7%、性感染症率が24%と報告されています(2012、UNAIDS)。タイ公衆衛生省も、MSMを重要個別施策層と位置付け、性感染症予防の支援を求めていました。それを受けて、シェアは2008年に新規エイズプロジェクトとして、初めてMSMへの活動を開始しました。

シェアとしては、HIV陽性者の健康支援や村人へのHIV/エイズ予防啓発に関しては、長年経験があったのですが、MSM対象の活動は初めてでした。活動当初はグループの立ち上げから始めました。中核となりそうなMSMに集まってもらい、HIV予防啓発活動の目的や必要性について話し合い、MSMグループが立ち上がりました。そして、MSMリーダートレーニングや、MSM対象のグループミーティングが始まりました。

講師として活躍するMSM
MSMリーダーたちは、HIVや性感染症のトレーニングを受けて、その後MSMメンバーたちに伝え、めきめきとファシリテーターとしての能力を上げていきました。元々潜在能力もあったのかもしれません。MSMの特徴として、人前で話すことが上手、人を楽しませるエンターテイナー力がある、言葉をストレートに明確に伝えることができるため、学校の生徒からは、大人気です。

そして、2015年には、MSMグループとして、21回も中学校・高校で性教育の授業を実施しました。その授業の様子を紹介します。

MSMによる性教育がおもしろいわけ
現在、MSMグループ「メコン川にかかる夜明けグループ」は、学校と連携して、定期的に性教育授業を実施しています。性教育を実施している学校長からも、「メコン川にかかる夜明けグループ」の授業が絶賛されています。学校の先生が授業をすると、真面目な授業になり、時には先生自身が性に関する話を恥ずかがり、核の部分に触れることができないこともあります。しかし、MSMリーダーによる授業は、大切な話をストレートに分かりやすく、そして楽しく伝えられ、参加型のゲームやワークをたくさん取り入れています。

長年の人材育成の成果
また、昨年より疾病対策局から、MSMグループの活動助成を獲得できました。シェアが育てたMSMグループが市民団体として自立する直前までやってきました。人材育成は時間がかかりますが、地域の人材が育ち、地域ぐるみで健康活動をしている様子をみると、この活動をやってきてよかったなと思います。

活動当初はMSMグループのみを担うリーダーの育成を目指していましたが、結果的に他の活動対象者や地域の学校の活動の担い手として、大きな波及効果を生みました。それは、HEALTH AND SHARE FOUNDATION (前タイ事務所、以下HSF)のタイ人スタッフが、MSMリーダーと家族のような関係を築き、育て支えてきたからだと思います。今後、HSFと「メコン川にかかる夜明けグループ」が、ますます地域の保健活動に貢献できることを祈っています。


タイ事業担当 広本 充恵


**応援よろしくお願いいたします**
HSFの活動に賛同して下さる方は、下記のサイトからご寄付のご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。(下記サイトの左下の「Donate」ボタンをクリックして下さい。
http://healthandshare.org/en/
2016-02-08 12:13 | 記事へ | タイ日記 |
2016年02月02日
Dr.本田徹のひとりごと(60) 
怪物は自分の心に棲んでいる −年のはじめに「開発教育」をめぐって考える−


1.はじめに

2016年の年頭にあたり、シェアを支援してくださっている多くの方がたに心より感謝申し上げます。シェアだけではありませんが、NGOを取り巻く環境が厳しさを増す中、いかにして、市民社会組織としての自立性や財政基盤を確保し、困難な状況に置かれた少数者の権利や暮らしを応援できるような働きをしていくか。志を失わず、今後とも「熟慮ある楽天性」をもって、がんばっていきたいと存じます。どうかよろしくご協力、ご参加のほどお願い申し上げます。


2.開発教育のこと

シェアが東ティモール、タイ、カンボジアなどの途上国で長年行ってきた保健教育(健康教育)の仕事は、国内では、「開発教育」という名で呼ばれる理論や実践の体系と地続きの関係となっています。日本における開発教育の牽引者として長年すぐれた活動を継続してきたNPO法人・開発教育協会のホームページでは、開発教育を以下のように定義づけ、説明しています。

「開発教育は英語のDevelopment Educationを日本語に直訳した言葉です。
開発教育は、1960年代に南の開発途上国でのボランティア活動に出かけていた欧米の青年たちによって始められました。最初は、開発途上国への支援を促すための教育という色彩の強いものでしたが、その後、南北問題や貧困、環境破壊といった問題が、先に工業化した国々との関係の中で構造的に起こることを理解し、それらの問題の解決に向けて、一人ひとりが参加し、行動していこうとする教育活動に変化していきました。

私たちは、これまで経済を優先とした開発をすすめてきた結果、貧富の格差や環境の破壊など、さまざまな問題を引き起こしてきました。これらの問題にとりくむことが、私たちみんなの大きな課題となっています。

開発教育は、私たちひとりひとりが、開発をめぐるさまざまな問題を理解し、望ましい開発のあり方を考え、共に生きることのできる公正な地球社会づくりに参加することをねらいとした教育活動です。」

シェア創設の1983−85年ころ、開発教育やプライマリ・ヘルス・ケアについて、理論的なことも含め、最もお世話になった方のお一人に故・室靖先生(東和大学教授)がいらっしゃいました。室さん(親しみを込めてこう呼ばせていただきます)に関しては以前、この「ひとりごと」で書いたことがありますので、興味のある方はお読みになってください。

「Dr.本田徹のひとりごと(17) (2006年12月4日)
開発教育ってなんだろう?
  ― 室靖先生追想を軸に」



3.稲場雅紀論文の秀抜さ

私自身開発教育協会のささやかな一会員として、機関誌「開発教育」をずっと購読してきたのですが、2015年12月発行の第62号には、注目すべき2つの記事(一つは本格的な論文、一つはインタビュー)が掲載され、引き込まれるように読みました。
一つは、NPO法人・アフリカ日本協議会の稲場雅紀さんが執筆した「現代国際社会の写し鏡としての『イスラミック・ステイト(IS)』−『ミレニアム開発目標(MDGs)』14年目に登場した『怪物』に市民社会はどう応えるか」。もう一つは、「九月、東京の路上で − 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」(ころから刊)の著者・加藤直樹さんへの、「開発教育」編集責任者の斎藤聖さんと西あいさんによるインタビュー記事です。

井上ひさしの有名なことばに、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」というのがありますが、開発教育も保健教育も、どちらかというと、「参加型」を大切にするあまり、利害の対立する厳しい問題を取り上げ、深く分析するといったことを避けてきたきらいがあります。

ところが、この号の稲場雅紀さんのIS(イスラム国)をめぐる本格的な論文は、ある意味で度肝を抜かれるような性質のものでした。やさしさ、分かりやすさをないがしろにするわけではないが、問題の厳しさと解決困難性、そして市民社会やNGOの限界や力不足を率直・冷静に分析し、提示することに彼の力点が置かれているように感じたのです。
 
稲場論文を読んで、私は、著者のイスラム教の教義に関する、また現代イスラム世界における社会的・宗教的・地政学的・軍事的対立に関する理解や造詣に、端倪(たんげい)すべからざるものを感じ、その勉強家ぶりに、脱帽のほかありませんでした。チュニジアに2年暮らし、その後パレスチナの問題にすこし関わってきただけの、いわば半可通の私などとは格段に違うレベルのイスラム通に彼がなったのは、かつて難民申請をした同性愛者のイラン人の在留訴訟を支援したことがきっかけだったと言います。

今回は彼のイスラム世界に対する通暁ぶりを紹介するのが目的ではなく、むしろ次のような引用文に示さる、彼の真率さと自己分析力の確かさを、皆さんにお伝えしたかったためです。

「市民社会は、MDGsにおいて、えてして『国際社会』の内部に身を置き、『救う者』と『救われる者』との主客関係の強化と『救われる者』として人々の疎外を強化する役割を期せずして果たしてきた。SDGs(持続可能な開発目標)の時代に私たちは同じ関係を続けるわけにはいかない。疎外する側として特権の飴をなめるのでなく、『救う者』『救われる者』の二項対立を解消し、疎外から新たな包摂への道を開くことが、SDGs時代の市民社会にとって最も重要なことである。それこそが、ISの排他主義と残虐性と対決し、これを克服する道となるはずである。」

MDGs運動の日本におけるもっとも精力的な紹介者・推進者の一人だった稲場さんが、この15年間の自分たちの努力とその成果に対して、ある意味で醒(さ)めた、失望を伴った気持ちさえ抱いていることは正直驚きでした。しかし、これはMDGsやSDGsといった言葉のファッションに踊らされている私たちに痛棒を加える文章とも言えます。彼の言う、NGOを含めての「市民社会」全体に対して、大きな反省を迫る発言であり、戦略を立て直すべき課題なのだと認識させられました。結局、文化的相対主義と<いのち>の普遍的価値を原理に進めてきた、西欧先進国中心のMDGsや開発の理念が、イスラムの若者たちの心に充分深く垂鉛をおろすことができず、共感を呼ばなかった事実に、私たちNGOの人間も率直に向き合わざるを得なくなったと、稲場さんは言っているのです。


4.関東大震災時の朝鮮人虐殺を我が姿として見る

「開発教育」62号でもう一つ私が注目したのは、「九月、東京の路上で」の著者・加藤直樹さんへのインタビュー記事でした。この本は、1923年の関東大震災の直後、被災地の各所で起きた朝鮮人に対する数多くの殺傷事件を詳細に記録したものですが、今日のヘイトスピーチや外国人差別につながり、戦前・戦後を通じて日本社会または日本人に通底してきた問題と思われる節があります。

「1923年9月3日月曜日午前 上野公園
流されやすい人

私がちょうど公園の出口の広場に出たときであった。群衆は棒切れなどを振りかざして、ケンカでもあるかのような塩梅(あんばい)である。得物を持たぬ人は道端の棒切を振り回している。近づいて見ると、ひとりの肥えた浴衣を着た男を大勢の人が殺せ、と言ってなぐっているのであった。
群衆の口から朝鮮人だと云う声が聞えた。巡査に渡さずになぐり殺してしまえ、という激昂した声も聞こえた。肥えた男は泣きながら何か言っている。棒は彼の頭と言わず顔といわず当たるのであった。・・・・(中略)・・・巡査に引き渡さずなぐり殺してしまえという声はこの際痛快な響きを与えた。私も握り太のステッキで一ッ喰はしてやろうと思って駆け寄っていった。」 
証言者・ 染川 藍泉(当時・十五銀行庶務課長)

上に掲げたのは、本書に採録されたたくさんの目撃または当事者証言の貴重な記録のほんの1例ですが、普段善良な「汝臣民」(昭和天皇の終戦の詔のことば)であった、銀行員・染川氏のような日本人の心にさえ棲(す)んでいた、「怪物」の存在への自覚を迫るものと言えます。


5.むすびとして − カリギュラと現代を生きる私たち

「善のなかできみは純粋だ、おれが悪のなかで純粋なように」 
    戯曲「カリギュラ」(アルベール・カミユ ・岩切正一郎訳)

「無私の悪」を積極的に武器として使用し、どんな残虐行為も躊躇(ちゅうちょ)しなかった人に、古代ローマ帝国の第三代皇帝カリギュラがいます。カミュの優れた不条理劇の主人公、カリギュラ自身の言葉を、この「ひとりごと」の最後に置いて、私は現代における「カリギュラ的なもの」を、いかに自分たちの心に見出し、乗り越えていくべきかを考えたいと思います。

カリギュラは、悪を純粋に無私の行為として冒すことにより、それが正当化されること、また悪の残虐さ・理不尽さが非道なものであればあるほど、死すべき人間が神を乗り越え、神に挑戦することができる存在になると信じたようです。
カリギュラと、関東大震災後の灰燼(かいじん)のなかで朝鮮人殺害に走ってしまった私たちの父祖の日本人たちと、ISの戦士たちとを、同じコンテキスト(文脈)の中で論じるのは危険なことです。

ただ、私たち人間のうちには「怪物」が棲んでいること、その怪物を喜ばせるために私たちがときに悪に対する見境がつかなくなること、また自身の帰依する絶対的存在が、目的の達成のためには悪を正当化するというトラップ(罠)に、私たちを陥らせることがあることを、人間性の真実として、自覚しておくことが必要なのでしょう。この冷静で、謙虚な自覚に立って、開発や民主主義という理念の再検証を行い、途上国の人びとや、圧迫され、分極化させられ、難民化している何百万人ものイスラム教徒の心に真に届く、国際協力を目指すことが、私たちに要請されているのだと思います。


2016年1月26日
シェア代表 本田 徹

新企画「Dr.本田の健康居酒屋」
新企画、本田代表と気軽に話すトークイベント開催決定!2月26日(金)19時〜
詳細はメールマガジンWEBサイトにてご連絡いたします。


**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから

 
2016-02-02 15:20 | 記事へ |
エルメラ事務所創設期時を支えた立役者 シコさんに本田代表が聞く
〜独立前から現在まで〜

シェア東ティモールは昨年末に、インドネシアからの独立前から15年間地域保健や学校保健活動を行ってきたエルメラ県での活動を終えました。手さぐりで始めた、農村山岳県のエルメラ県での活動に長きにわたってパートナーとして共に歩んだ1人が、郡保健センターに勤める看護師のシコさんです。

2002年の独立当初は、人口85万人に対して全国に大きな病院が4か所のみ、東ティモール人の医師は12人しかいないという厳しい環境でも、看護師として働いてきたシコさん。(出典:2002年 Health Profile)
昨年11月、東ティモール事業の担当理事でもある代表の本田が久しぶりにシコさんを訪ね、インタビューを行いました。東ティモールの保健医療の変化や医療者として大事にしていることなどを2回に分けてお届けします。

本田さん:まず、シコさんが看護師として働き始めてから、3つの時代に分けて聞かせてください。.ぅ鵐疋優轡統治時代 1975年〜25年 独立直後から5年間ほど 2002年〜2005年 8什漾2015年です。
東ティモール全体あるいはエルメラ県で提供される医療サービスが、各時代でどのように変化したと感じていますか?

シコさん:.ぅ鵐疋優轡統治時代は、良いところも悪いところもあったと思います。各地域の保健センターやヘルスポスト(簡易診療所)などは昔もあり、中にはポルトガル時代からの施設を引き続き使っているところもありました。インドネシアから独立する際には、家や病院などの多くの施設が焼かれたり破壊されたのは、辛い時代でした。物価は、貨幣が現在使っている米ドルではなくインドネシア時代のルピアだったため、いろんなものが安価でした。
独立後から5年くらいは、国連など国際社会の支援を受けてきました。今は、東ティモール政府が予算を管理し、保健プログラムが実施されるなど発展は目覚ましいものだと思います。
8什澆蓮∪府も機能しているし、保健センターも毎日空いていたり、薬もあります。大きな変化は、村に医者がいることです。(※独立後からキューバに派遣されて医学生が2010年頃から国へ戻り始め、保健省の政策で各村に医者が配置されている)また、以前はエルメラ県にも多くマラリア患者がいましたが、今はかなり減りました。蚊帳が各家庭に行きわたっているし(※5歳未満児や妊産婦のいる家庭に保健センターから蚊帳が配布されている)、シェアと一緒にやっているように母子健診や学校でも保健教育をして、住民にマラリアの予防方法が普及したことが減少した理由だと思います。(※2014年 WHOが東ティモールのマラリア撲滅計画の成果を表彰している)

本田さん:シェアがエルメラでの支援を開始したころ、日本から派遣した助産師の川口さんたちと一緒にクリニックの活動をやりましたよね。 いま保健センターの1日の患者数はどのくらいですか?

シコさん:一緒に活動しましたね。 患者さんは1日最大で100人以上、少なくても20人くらいです。

本田さん:たくさんの患者さんが来ているんですね。マラリアの他に、住民の健康状態や病気に変化はありましたか?

シコさん:昔は年間を通して、風邪や貧血、下痢、結核などの患者がいましたが、現在は季節毎に流行る病気で来ることが多くなりました。例えば雨季が長く続くと下痢が、乾季には風邪の患者が増えますが、季節に流行る病気以外は減っていて、病気の予防知識が普及したのだと思います。結核についても、昔は誰かがかかると家族全員が結核になってしまいましたが、今は薬もあるので全員が感染することなく予防ができるようになっています。
また、保健省による新しい保健プログラムも始まっています。今年2015年からは、保健センターのスタッフが家庭訪問をして、各世帯の人数や血圧や持病などの健康状態を記録して把握していくのです。その他、寄生虫の駆虫薬などを配るプログラムもあります。

本田さん:東ティモールでは独立後乳幼児死亡率が半減するなど改善しているが、栄養不良児の割合や妊産婦死亡は改善せず、他のアジアの国に比べて深刻です。このことについてシコさんはどのように考えていますか?

シコさん:栄養不良については、地理的な問題もあると思います。乾季には半年、まとまった雨が降らず十分な食料がなくなって栄養不良になるのではないでしょうか。雨季と乾季しかありませんから、四季があったらと思ったりします。解決方法はみんなで一緒に考えていかなくてはいけないことです。現金収入が得られる時期が限られていて、食料が少なくなった時に買えないのです。エルメラ県ではコーヒーの産地なので、収穫期には仕事も現金収入もあります。でもそれ以外の時期は、定期的に収入がない人たちは大変です。現金収入があるときには冠婚葬祭で散財することもあります。村に移動型健診のSISCaに行くと、山の上や谷底では野菜も少なく、水が涸れているところもたくさんあります。手に入る限られたものを食べるしかない。子どもだけでなく、大人も栄養不良の人がいます。

本田さん:妊産婦死亡の状況はどうですか?

シコさん:エルメラでは(保健センターでは)あまりを見ることはありません。保健センターに来ていない妊産婦がどのくらい亡くなっているのかはわかりません。定期健診に来ている妊婦さんが亡くなるということは体験していません。

本田さん:保健センターなどから遠い場所で命を落とす子どもはどのように把握していますか?

シコさん:村で子どもが亡くなった場合は村長が伝えに来たりしますが、亡くなってから時間が経ってから伝わってくることも多いので正確には把握できていないのが現状です。

本田さん:子どもの死亡率も実情はもっと少なく数えられているということでしょうか?

シコさん:そうだと思います。

・・・次回インタビュー後半は、これからの東ティモールの保健医療の展望と、シコさんの医療者としての歩みや働くうえで大事にしていることなどをお伝えします。
2016-02-02 15:13 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2016年01月25日
栄養不良だったカカダちゃんを回復させたのは。。
みなさんは、子どもの頃に小学校などで身体測定をしていた記憶があるでしょうか。
私の育った地域は低所得者層や共働きの多い地域で、小学校時代も毎月身体測定がありました。
6歳までの母子手帳に代わり、小学校では「健康手帳」に記録して、覚えたばかりのグラフの書き方を使って、自分の体重が毎月少しずつ増え、身長が毎月少しずつ、時にはぐんぐんと伸びていくことを知りました。
体重が増えているかどうかは、子どもの健康のバロメーターなのです。

カンボジアの農村に暮らすカカダちゃんは、11か月のときに初めて参加した健診で栄養不良(月齢に対し体重が少ない)が見つかりました。

健診では、栄養不良の子どもが見つかると「栄養不良児のフォローアップシート」に沿って、看護師が生活の状況を丁寧に聞き取ります。
すると、カカダちゃんは、両親が子どものケアに関する知識が乏しく、野菜を食べさせていなかったり、お菓子をたくさん与えてしまって大切な食事(離乳食)が摂れていないことが分かりました。

このような状況に対し、カカダちゃんの住む村の保健ボランティアが、定期的な家庭訪問を通して様子を見に行き、両親を励まし続けました。カカダちゃんの両親はそれ以降村で乳幼児健診があるときには毎回必ずカカダちゃんを連れて来ました。そして、保健教育で習ったことや保健センター・スタッフからのアドバイスを家庭で実践するようになりました。

その結果、18か月の健診でカカダちゃんは適正な体重まで成長することができました。

カンボジアの特に農村部では、離乳期が始まる6か月ごろから2歳ぐらいまでに、栄養不良児が増えていくのです。必ずしも、貧しいことや食べ物がないことだけが原因ではありません。体重計も、体温計もないカンボジアの農村で、まだ言葉を十分に話せない子どもたちの健康を守るために、シェアは遠い保健センターまで行かなくても、村で乳幼児健診を受け、体重を定期的に測ったり、診察を受けて、必要な支援が受けられる体制づくりを行ってきました。

カカダちゃんのケースでは、健診により栄養が足りていないことが見つかり、そして、カカダちゃんが健康に育つためにどう生活を改善したらよいのかが分かり、保健ボランティアの支えがあって、両親ががんばり続けることができたから、無事に成長することができました。

シェアでは、子どもたちが健診に来ることを応援するために、日本の支援者のみなさんと心のこもったぬいぐるみを作り、送る活動をしています。このぬいぐるみをデザインしてくださったのは、ぬいぐるみ作家の金森美也子さん。
今回、お忙しい金森さんが、カンボジアの子どもたちのために、ぬいぐるみワークショップの講師を引き受けてくださいました。

制作したぬいぐるみはカンボジア農村で乳幼児健診に来る子どもたちに届ける、日本で参加できる国際協力です。


たくさんの方のご参加をお待ちしています! 

シェア東京事務局 カンボジア事業担当 山脇 克子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【日時】2月6日(土)13:30〜16:00
【会場】イリヤプラスカフェ カスタム倉庫 (東京都台東区寿4-7-11)
【講師】金森美也子さん
【参加費】2,500円(ぬいぐるみキット代含む。お茶、お菓子付)
*ワークショップの収益は、カンボジアプロジェクトに寄付されます。
【定員】25名(定員になり次第申し込みを締め切ります)

☆申し込みはこちらから
2016-01-25 16:37 | 記事へ | カンボジア日記 |
2016年01月11日
出張報告第二弾  〜現地化支援終了に向けて〜
皆さま、サワッディーカー(タイ語で「こんにちは」)。前回の出張報告第一弾では、現地化のインタビューについてお伝えしました。今回は出張報告第二弾として、出張業務の後半部分をご報告します。10月の出張には、実は4つの目的がありました。1つ目は、シェアの学びとして現地化をまとめるためのタイ関係者へのインタビュー、2つ目は、毎年行っている年次振り返り計画会議、3つ目は申請書作成のためのフォローアップ研修、4つ目はバンコクのドナー訪問です。3週間弱の盛りだくさんの出張でした。

年次振り返り計画会議
年次振り返り計画会議は、いつも10月の時期に理事とスタッフ間で行っているものです。それは、1年間の事業成果を確認し、来年度の計画を確定するための会議です。最初に設定した指標や目的が達成されたか、昨年と比較して何がどのように改善されたかを振り返るものです。また今年の課題点を克服していくための対応策を今後の計画に反映させます。タイでは、各担当が、それぞれの担当の活動を発表し、それに対して理事や顧問がアドバイスをします。

またHEALTH AND SHARE FOUNDATION (以下HSF、前タイ事務所のこと)は独立した一団体なので、財務の確認も行っています。助成金だけでは予算が足りないので、2015年は自己資金獲得のために、募金箱設置を進め、お寺との共同募金キャンペーンや民芸品販売、講師派遣を行い、成果や懸念点を話し合いました。インタビューでは、理事やスタッフから、資金不足を心配する声が多く挙がりました。昨年9月に世界エイズ・結核・マラリア基金による事業撤退が決定し、現実的に資金難の問題に直面しました。以前からある程度資金繰りの予測はしていたものの、問題が現実化し、2015年は今まで以上に、理事とスタッフがお互いできる範囲で何らかの行動を起こし一丸となった年でした。

申請書作成のためのフォローアップ研修
2014年末から助成金申請を始めましたが、なかなか申請が通らないという事実から、申請書の書き方に問題があることが分かりました。そこで、2015年は申請書作成の強化を行いました。10月の出張では、申請書作成のために必要なチェックリストを、タイ人スタッフにアイデアを出してもらいながら作りました。そして、HSFの強みは何か、再度ブレーンストーミングしました。

ドナー訪問
その後、バンコクで長年お世話になっている、日本大使館、日本人会、シェア・タイOBを訪れ、活動報告をしました。今まで日本人が担っていたドナー対応をHSFに引き継ぎ、既に直接やりとりを始めています。日本ならではの細やかな対応と相手への思いやりが伝わればよいなと思っています。

タイ事業担当 広本 充恵

**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2016-01-11 19:30 | 記事へ | タイ日記 |
火曜(通う)ボランティアさんからの「1000時間の贈り物」♪
2015年も、もうわずか。早いですね!

12月15日(火)に火曜(通う)ボランティアさんたちへの恒例の感謝デーを開催しました。

年初は8名で開始した火曜(通う)ボランティアも、1年経ったら14名に増えていてびっくり!毎年、20回以上ご参加いただいたボランティアさんには、感謝状と特製のバッジをプレゼントしています。去年は20回以上のリピーターは5名でしたが、今年は10名に倍増!毎週賑やかなわけですね。

一番多い方で45回中44回参加です。そして、みなさんがシェアのために貢献してくださった時間を換算してみてさらにびっくり!なんと1000時間を超えていました!

時間に追われた生活をしている現代人にとって、もっとも価値の高い贈り物は「時間」だとも言われています。火曜(通う)ボランティアさんたちは、私達シェアがよりよい活動をするために、貴重な「1000時間」をプレゼントしてくださったのです。本当にありがたい。

この1000時間で、支援者の皆さまへお送りしている数々の発送物の印刷や発送、皆さまからいただいた物品寄付の整理、イベントの準備&片付け、昔の写真の整理や書類のスキャニングなど、多岐に亘る事務作業のお手伝いをしていただきました。スタッフだけでは、とても捌ききれない作業量も、火曜(通う)ボランティアさんたちの手にかかったらあっという間。

今年も、火曜(通う)ボランティアの皆さまには、大変お世話になりました。この感謝の気持ちを表すべく、今年は「桃林堂」の小鯛焼とボランティアさんが立ててくださった美味しいお抹茶でおもてなしをさせていただきました。

来年も、みんなで元気に集い会えますように。
みなさま、良いお年をお迎え下さい。

支援者サービス担当 青木美由紀

**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2016-01-11 19:26 | 記事へ | 東京事務局日記 |
ひと足早く、新たな目標に向かう東ティモールプロジェクトの幕開けです。
師走も残すところ10日となりました。
来年のことを言えば鬼が笑う、とは言いますが、新しくはじまる年に思いを馳せる時期です。ブログを読んでくださっているあなたにとって、2015年はどのような年でしたか?

シェア東ティモール事業の2015年は、2つの大きな節目を迎えました。
「卒業」と「次なるステップ」です。ひとつめは、今月15年間にわたるエルメラ県での保健支援活動を終えたこと。ふたつめは、学校保健プロジェクト第3期目の開始です。

東ティモールでは独立前の2000年から、新しい国造りの支援として保健教育ができる人材を育て、人々による病気の予防啓発活動を広めています。
今月15年の活動を終えたエルメラ県では、多くの方にご支援いただき、村・保健センター・学校・県行政で保健教育ができる人材を1,000人近く育成することができました。育成された保健教育者たちは、人口11万人の県内のそれぞれの場で病気の予防啓発を広め、今では県内の127校の8割の学校で、保健の授業や校内清掃や手洗いの呼びかけなど児童生徒による保健活動が行われるようになりました。

しかし複数の学校で保健の授業や活動が行われているのは、全国13県のうちエルメラ県だけといってもよいほど、まだまだ東ティモールの学校には保健教育が一般的なものにはなっていないのです。

東ティモールの東から西まで13県。すべての学校で、子どもたちが当たり前のように病気の予防知識を学び、元気に成長してほしい。
私たちシェアの願いです。

そこでシェア東ティモールが目指すのが「次なるステップ」。
2007年から取り組んでいる学校保健支援の総仕上げとして、エルメラ県での経験を全国に広げて行くのです。首都のディリ県を拠点に、東ティモールの人々の手で運営し全国に広めるための国の学校保健プログラムの仕組みづくりに取り組みます。
今日12月21日は、今後3年間の学校保健プロジェクトをご支援いただく外務省の日本NGO連携無償資金の署名式が行われました。在東ティモール日本大使館のfacebookで速報がご覧いただけます。→こちら
今日から新しいプロジェクトの始まりです。東ティモールの学校保健を広めるためにシェア東ティモールチームと、国・県・学校の保健/教育関係者と一緒に力を合わせて、頑張っていきます。
東ティモールのすべての学校に学校保健を広げる活動を、どうぞ応援してください。

**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2016-01-11 19:24 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2015年12月21日
タワンと地域のタイ人ボランティアが広める健康情報
〜千葉県におけるHIV/エイズ・結核啓発活動〜

こんにちは。
在日外国人支援事業インターンの小野寺です。
12月5日(土)に千葉県野田市へ、タワンの啓発活動に一緒に行ってきたのでその報告をします。タワンは、HIV/エイズや結核を含めた健康に関する啓発活動をするボランティアグループです。2015年の活動はこの日を含めて8回目となります。

師走始めの土曜日。肌寒かったですが、とっても清々しい良く晴れた気持ちのいいお天気でした。この日の開催場所は、最寄り駅から徒歩10分程にある公民館の調理実習室。
活動内容は、勉強会やミニ健康相談会のほか参加者相互の交流促進のため、ボランティアの方々による手作りのタイ料理がふるまわれました。

エイズに関する勉強会には、周辺の地域に住んでいる11名のタイ人のみなさんが集まってくれました。参加者の皆さんはとても興味をもって話に聞き入ってくれていました。HIVとAIDSの用語・それぞれの意味の違い、HIV感染したときの免疫レベルを測る指標であるCD4についての基礎知識。感染予防としては、コンドームの使い方や装着のタイミングの説明がありました。さらに、治療には薬を服用し続けることの重要性、HIV感染症の治療は健康保険を活用しても高額で障害者手帳が自立支援医療の申請ができる可能性があることなどの話もしました。 これらの説明は、具体的かつ一般の人の目線に立って保健劇やゲームを取り入れて行われました。このような説明を聞いて、私自身大変勉強になりました。また、タイ語で作った結核パンフレット用いて、結核の話を説明しました。
また、今回の活動の一つであるミニ健康相談会は、ちょっと様子が違いました。いつもは、シェアの副代表であり、港町診療所で診療をしている男性の沢田医師による相談会ですが、今回は、女性医師2人によるものでした。タイ人の女医も協力してくれたため、通訳者を介さずタイ語で直接コミュニケーションがとれたり、同性ということで、女性ならではの悩みも相談ができたり、共感してもらいやすいなどの安心感があったのではないかと感じました。このミニ健康相談会では、参加者の半数以上の7名の健康相談を受けました。


活動後の反省会では、この地域のボランティアとして企画から協力してくれた方は、タワンが野田市にこの活動をしに来てくれたことは、『見捨ていられていないんだ』という感想をもったという発言をしていました。この方は、昨年タワンが企画したボランティア育成研修に参加してくれた方です。今回の活動を機に研修参加者との協力体制ができた事も大きな成果でした。また、他の参加者からはこの地域で自分の知らないタイ人の方と知り合い、話をする機会が持てたなど、新たな出会いの場にもなったという声も聞けました。今回の活動をきっかけにタイ人の輪がさらに大きくなり、タワンの存在やエイズを含めた健康に関する情報を広めていってもらえたら嬉しいです。

※この活動は、平成27年度日本郵便の年賀寄付金の助成を受けて行いました。


在日外国人支援事業インターン
小野寺 千恵


**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2015-12-21 14:41 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
2015年12月14日
〜インターン報告〜 タイのスタディツアーで学んだこと
8月に開催されたタイスタディツアー。早いものでスタディツアーが終了して4カ月が過ぎようとしています。今日は、タイスタディツアーに同行したインターン2名から、スタディツアーでの学びを報告します。





「現地化への支援」について学んだこと
                 
今年度、シェアの支援が終了し現地化を成し遂げるシェアタイ。これまで私が見てきた途上国への支援は、現地での技術支援、人材育成などの直接的な援助だけでしたので、現地化について学べるタイのスタディツアーに参加しました。

タイの財団法人HSF(Health and Share Foundationの略、前シェアタイ事務所)の運営について話を聞く機会がありました。シェアからの支援が終了するため、今後は自分たちで資金獲得をしていかなければならないこと、地域の関係機関との連携を行っていかなければならず、それらに対して不安があるということを伺いました。年末のタイ事業終了までに、今シェアが行っていることは運営に関することが支援の一部であることも知りました。現地化に向けての支援のあり方を見ることができ、私の中ではスタディツアーに参加した目的を果たすことができたと思います。

MSM(Men who have Sex with Menの略、男性を性の対象としている男性のこと、以下MSM)リーダーの活動は日本人も見習わなくてはと思わされるほどのファシリテーター能力を持ち合わせており、活動を安心して任せられるレベルまで、MSMリーダーを育成したのだと感じました。

スタディツアーの間は、HSFスタッフをはじめ、多くのタイ人に親切にして頂きました。言葉にならないほどの貴重な体験をすることができ、タイでの1週間は一生の宝物です。12月でシェアの支援は終了してしまいますが、今後のHSFの活躍を応援していきたいと思います。

海外事業インターン 中村 美紀子







「タイの医療」から学んだこと 

2015年の8月、タイ東北部のウボンラーチャターニー県のケマラート郡でタイの医療を学びました。タイはエイズ対策において、世界で数少ない成功を収めた国です。現地には、医療の改善に、徹底的に取り組む医療システムと病院の体制がありました。そして、タイの医療現場で活躍する現地NPOスタッフや病院のスタッフ、そして当事者自身の活動が盛んでした。私は日本で医療従事者をしていますが、今回の旅は”質の高い医療”について考えるきっかけとなりました。

エイズ分野で活躍する当事者自助グループリーダーの役割は日本の医療に参考になるのではないかと感じました。特に、治療に関しては、HIV陽性者リーダーがHIV陽性者の家を訪問し、服薬の確認、体調、治療で抱える問題点の相談役を担い、医師との仲介役として受診に立ち会うなど、治療をフォローする重要な役割を担っています。始めは、当事者自助グループリーダーが病院内で活動することに、その必要性が理解されない場面があったそうですが、今では、病院から一部の交通費が支払われる程、欠かせない存在となっています。

タイ滞在時の宿泊はノンシム村でホームステイをさせて頂きました。村の生活は自給自足で、水道と電気は生活の必要最低限で使うことができます。自分の育てた鶏や鴨を捌いて見せてくれたポー(タイ語で「お父さん」という意味、ここではホストファザー)と托鉢の餅米を夜明け前から炊くメー(タイ語で「お母さん」という意味、ここではホストマザー)の姿は、日本の利便性の追求する生活で見失っていた大切なことを教えてくれました。

今回、タイの旅での貴重な経験の数々を、事前から準備して旅中ずっとお世話をして下さったHSFとシェアのスタッフの方々、ノンシム村の方々そして一緒に旅したメンバーに感謝致します。タイの文化を満喫させて頂き、楽しく、掛け替えのない思い出をありがとうございました。


支援者サービスインターン 秋山 李奈

**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-12-14 13:34 | 記事へ | タイ日記 |
シェアカンボジアの大黒柱のナオコ
今回はカンボジア事務所の山瀬さんの話。

2009年、カンボジア事業の活動地がプレイベン州に移るころ、山瀬直子さんのシェア人生が始まり、今年完了した子どもの健康を守るプロジェクトの大黒柱であった彼女が今月離任します。開発協力経験は、人権活動でカンボジアからデビュー。そして、障碍者支援活動でベトナム。メコン川下流地域でかなり青春時代を過ごし、もちろん、今も青春の真っ只中でカンボジアの生活が楽しく心残り多いなか、次なる人生第二章のため、見直す時間をもつことに決めたそうです。

開発協力の現場では、もちろん成人した大人が働いているのですが、時には人間関係を作るときのマナーを忘れた方々と会う事が、ままあります。
カンボジアに限りませんが、海外にいるとこれまで親しんできた文化風習、時には秩序や安全網だったりしたものが、すっかり抜け、現地式を学ばなくてはいけなく、時間がかかったり、うまく学習できなかったりで、ついつい自分の職権でお座なりにすませてしまう海外駐在者がいます。幼い頃教えられる生活の場面でのマナーをすっかり忘れてしまっているのです。特に、ごめんなさい、と、自分から自分の行為のチェックを周りの人とすること。
山瀬さんは礼儀を忘れず、敏感に立ち振る舞い、スタッフと上手にコミュニケーションをとり、そして、辣腕で事業を一歩一歩進めてきました。私は今年3月から入職したばかりで、9月に4年半のプレイベンのプロジェクトを無事に終えるにあたっては、山瀬さんがいなければ失敗に終わっていたと思います。開発の現場では、現行事業がうまくいかないとか、ある程度の成果や結果が出ないとかいうことになると、次に続けられなくなります。このプロジェクトの成果は、山瀬さんによるシェアカンボジアのチームワークなくしては達成できませんでした。

底抜けに明るく、パワフルで楽天的な山瀬さんといえば、おっかしい動画が好きで、一緒にバカ笑いさせてもらいました。また、食べる事が好きでスタッフにも、直子といえば=ノム(お菓子)。朝、出勤して数時間するともうお腹をすかせ、ノムの調達。バナナを炭火で少し茶色に香ばしく焼いたジェイクアン(ジェイク=バナナ、アン=炭火焼)、バナナにゴマ入りの衣をつけて油で揚げたジェイクチエン(チエン=油揚げ)、ゆでたとうもろこしのスガオポゥット(スガオ=ゆでる、ポォット=とうもろこし)等々が特に大好き。彼女の近くにいると何かしらノムが食べれると喜ぶスタッフもいます。(笑)

広島にお住まいのお母さんが、山瀬さんのために功労感謝慰安旅行を企画し首をながーくして待ってるらしい。「直ちゃんが帰ってきよるけん」ってうれしそうに井戸端会議をしている姿が見えるようです。楽しんできてね、そして、また道中珍話を心待ちにしています。
7年間ご苦労様でした。

モーガン三恵子
プロジェクト・マネージャー
シェア・カンボジア事務所




★離任のごあいさつ★ (山瀬 直子)

2009年にカンボジア事業担当として入職してから約7年。このたび、シェアを卒業することとなりました。自分の未熟さや力不足を感じる点は多々ありましたが、たくさんの人に支えられながら働くことができたことに感謝の思いでいっぱいです。

2014年からはカンボジアの地へ赴任し、青空と緑の美しいカンボジアにどっぷりつかりながら、シェア・カンボジア・ファミリーの一員として皆で試行錯誤しながらも同じ目標にむかって仕事をし、時にはともに食べて・飲んで・歌って・踊った日々はとても光栄な思い出です。

シェアでの仕事を通して、「人と人が支えあい繋がることの大切さ」や「家族の絆」など人間にとって根本で大切なものは何かということを改めて感じることができたと思っています。一人の人間が立ち上ることが環境を大きく変えていく起動力となることを教えてくれたトン・トール郡保健局長をはじめ、地域の人のために一生懸命に働く保健センター・スタッフまた保健ボランティアさんなど素晴らしい出会いに満ち溢れた7年間でした。また、カンボジアを通して日本の様々な皆さんと知り合えたことも大きな財産となりました。
これからは開発ワーカーとして尊敬する大先輩のモーガンさんを筆頭に、頼もしいシェア・カンボジアスタッフがリードしていってくれることは間違いないと思います。

改めまして、様々なことを学ばせていただいたシェアとカンボジア、そして縁した多くの皆様に感謝するとともに、今後もお母さんと子どもが幸福で平和に生きることができる世界を目指して自分自身も新たに出発していきたいと思っています。

7年間本当にありがとうございました。そして、これからもシェア・カンボジアをよろしくお願いいたします。オークン・チュラウン!(カンボジア語で「ありがとう」)

カンボジア事務所調整員
山瀬 直子



★お知らせ★

カンボジアから駐在員山瀬直子が帰国し、2011年3月から2015年9月まで、JICA草の根協力事業などの協力を得て実施した
「プレイベン州スバイアントー郡おける子どもの健康増進プロジェクト」
の事業完了報告を行います。

【日時】12月15日(火)16:00〜17:30
【場所】独立行政法人国際協力機構 東京国際センター(JICA東京)別館
 セミナールームD(東京都渋谷区西原2-49-5)
  ・京王新線 幡ヶ谷駅下車(南口出口)徒歩8分
  ・地下鉄千代田線・小田急線 代々木上原駅下車(北口1出口)徒歩12分
http://www.jica.go.jp/tokyo/office/access.html
【参加費】無料
【定員】30名

☆申し込みは12月13日(日)までです。ぜひ、お越しください!
参加申込フォーム
2015-12-14 13:32 | 記事へ | カンボジア日記 |
東ティモール保健教育プロジェクト活動報告会
〜2人の駐在員が語る東ティモールの「今と昔」〜






海外事業インターンの中村が報告します。

師走の始まり、12月2日に2年半の任期を終え帰国した山本の帰国報告会が開催されました。
報告会は2部構成で、第1部は山本から「学校保健プロジェクトの報告」。第2部は、現在は上智大学教員で15年前にシェアの現地駐在員として東ティモールに駐在していた福武さんと「いまむかしトーク」と題して、15年前と現在との東ティモールの違いを対談方式で行いました。

第1部の「学校保健プロジェクトの報告」では、なぜ東ティモールで学校保健を行うのかということから始まり、2013年から行っているプロジェクトが終わり次のプロジェクトが始まろうとしていること、今後の課題や次のプロジェクトについてまで、学校保健プロジェクトについて詳しく報告をしていました。
その中で、「現地の人たちにポジティブな変化が見られたときは特に嬉しい」と話していたことがとても印象的で、他人のやる気を感じられたときは自分のことのように嬉しいものなのだと思いました。また、実際に現地で使用していた教材についての紹介もあり、現地での活動の様子がより詳しく参加者の方に伝わったのではないかと思います。

第2部の「いまむかしトーク」では、東ティモールの暮らしや道路事情、保健指数などについて15年前と現在の違いを2名の駐在員で対談しました。
「今はインターネットが便利になり、スカイプも不便なく使える」に対して、「15年前はインターネット環境が整っておらず、メールチェックをするのにも一苦労で途中で諦めたこともあった」と15年で生活も大きく変化したんだなと思いました。日本もそうですが、昔は苦労の多い生活を強いられていたようでした。また、今では古びた家の前で若い子たちが携帯電話でFacebookを楽しんでいるそうです。
日本とあまり変わらないですね。2名の駐在員が対談することで、「今と昔」の生活の違いを知ることができ、少しずつではあるけれど、東ティモールは発展に向けて頑張っているんだなと感じられました。

終了後は参加者の方からの質問や感想が飛び交いました。アンケート結果から「予防啓発の歌が子どもたちの間で広まっていたという話に、目に見えないところで小さなプラスの変化が起きているんだと思った。」、「シェアの活動終了後に、現地で活動が持続されているか知りたい。」といった声が聞かれ、報告会の内容を深く理解していただけたのではないかと思います。

さて、今月下旬から学校保健の第3フェーズのプロジェクトが始まる東ティモールからは、目が離せません。
新年の年明け1月30日(土)に東ティモールイベントを開催します。シェアが活動しているエルメラ県でシェア同様に保健医療を中心に活動しているNGOがあります。そのNGOの現地駐在員とシェアが協同して参加型のイベントを準備中です。そちらも、お楽しみに。

海外事業インターン 中村美紀子

**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2015-12-14 13:29 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2015年12月07日
速報! 12月1日は世界エイズデー タイのエイズイベント報告
12月1日は世界エイズデーです。エイズの予防啓発とエイズの差別をなくすために、全国各地でイベントが行われています。タイの活動地でも世界エイズデーイベントを行いました。今日はそのイベントをお届けします。

11月30日(月) 月曜市場前にて
毎年、多くの人が集まる月曜市場の月曜日に合わせて、世界エイズデーイベントを実施しています。今年も月曜市場の正面にあるケマラート中高一貫校の前に、ステージとブースを設置し、エイズの普及啓発活動を行いました。

今年のイベントでは、国連合同エイズ計画のスローガン「3つのゼロ(新規HIV陽性者0、エイズ死亡者0、差別0」以外に、タイ公衆衛生省が掲げているスローガンを打ち出しました。「早期検査、早期治療により、エイズを終わらせよう」というものです。世界でも早期の治療で健康に長生きするために、HIV発見時に即服薬治療を開始しようという予防戦略の動きもみられています。

HEALTH AND SHARE FOUNDATION(前シェアタイ事務所のタイ法人名、以下HSF)のブースではHIVの感染経路を知るゲーム、性の多様性を知るLGBTのパズル、コンドームの無料配布、レッドリボンの絵コンテストを行いました。

イベントには、MSM(男性を性の対象としている男性)リーダー10名、若者リーダー2名、村の高齢者グループメンバー2名が手伝ってくれました。また定時制学校からは、無料の屋台が出て、無料でタイの焼きもちと焼きバナナが配布されました。


学校の前でイベントを実施したことから、参加者の多くは中高生でした。月曜市場利用のケマラート市民を入れて、総勢4,700名を対象にしました。最近タイでは若年妊娠の問題が深刻なことから、学校の先生もエイズの問題に関心を示し始めました。今回のイベント協力団体は、郡保健事務所、ケマラート郡病院、ケマラート郡にある2カ所の市役所、ケマラート学校、定時制学校でした。それぞれの立場から、エイズの問題を共に解決するために、アクションをとって下さいました。


〜プレイベントも実施!〜
 11月25日 ケマラート市役所前にて
「ロイクラトーン」という農民の収穫に恩恵深い水の精霊に感謝を捧げる灯篭流しのお祭りに合わせて、エイズイベント(映画上映、コンドーム配布、写真撮影スペース設置)を行いました。

11月26日 テープウォンサー市役所前にて
ロイクラトーンの祭りに合わせて、ブースを設置し、コンドームを配布し予防啓発活動を実施ました。また50名の若者にHIVに対する意識調査を行いました。



タイ事業担当 広本 充恵


**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-12-07 13:04 | 記事へ | タイ日記 |
2015年12月01日
カンボジアでの次の活動が始動します!
今回はプロジェクトのお話です。

カンボジアでは、今活動しているプレイベン州スバイアントー郡で2008年から事業を始めました。
第1期の事業「コミュニティにおける母子保健プロジェクト」が2011年2月まで約3年間。そして、第2期の「子どもの健康増進プロジェクト」は2011年3月に始まり今年9月に終了しました。第2期事業では、特に栄養不良児の多い18か月(1歳半)から23か月(満2歳未満)の栄養不良児率を10%減少という目標をほぼ達成した素晴らしい成果を挙げることができました!

10月からは次なる活動計画づくりに取り組んでいます。続く取り組みとして、これまで実施してきた包括的乳幼児健診活動を含む子どもの健康増進活動を、シェアがいなくなっても地域の保健行政と保健センターで運営していけるよう、これまでシェアが担ってきた役割のハンドオーバー(引き渡し)を目指したプロジェクトを近々開始します。

これまでの活動では、シェアは協力機関である郡保健局や、活動を実施する保健センター・スタッフや保健ボランティアと、より近い距離で関係作りをしながら、彼らの本来の業務を指導・支援する形で実践してきました。
次の段階では、郡保健局がシェアの役割を担い、これまでシェアがサポートしてきた子どもの健康増進活動を自らの力で継続・管理していくものです。これまでの活動のメインであった包括的乳幼児健診活動のバトンタッチ、または、開発業界でよくいわれるサステイナビリティというやつを目指してまずは1年の計画で挑戦します。

プライマリヘルスケアで大切な要素の一つである「それぞれが継続できる」こと。保健センタースタッフ、保健ボランティア、そして子どもの養育者、3者間の信頼関係と、彼らがこれまでの活動で身につけて来たスキルや運営能力、そして何より乳幼児健診を自分たちで実施して子どもたちの健康を守ることができるようになったという成果を継続していけるよう、シェアにとっても次なる挑戦が始まります。そして、この活動は、これまでの活動で一番力をつけ大きな成長を遂げたシェアカンボジアスタッフが中心になって進めていく計画です。

これからのカンボジア事業からはしばらく目が離せません。どうぞ、応援よろしくお願いします!
Don't miss it!

モーガン三恵子
プロジェクト・マネージャー
シェア・カンボジア事務所


★お知らせ★

12月にカンボジアから駐在員山瀬直子が帰国し、2011年3月から2015年9月まで、JICA草の根協力事業などの協力を得て実施した
「プレイベン州スバイアントー郡おける子どもの健康増進プロジェクト」
の事業完了報告を行います。

【日時】12月15日(火)16:00〜17:30
【場所】独立行政法人国際協力機構 東京国際センター(JICA東京)別館
 セミナールームD(東京都渋谷区西原2-49-5)
  ・京王新線 幡ヶ谷駅下車(南口出口)徒歩8分
  ・地下鉄千代田線・小田急線 代々木上原駅下車(北口1出口)徒歩12分
http://www.jica.go.jp/tokyo/office/access.html
【参加費】無料
【定員】30名

☆申し込みはこちらから…ぜひ、お越しください!
参加申込フォーム
2015-12-01 09:42 | 記事へ | カンボジア日記 |
第4回シェア火曜(通う)ボランティア有志の集い開催報告
山谷見学会:山谷を知ろう、山谷から学ぼう


山谷を知るために、まずはコスモスを訪問

学習会当日は秋たけなわで、曇り空のおだやかな日でした。午前10時にJR南千住駅に集合した12名の参加者一行は、駅から歩いて明治通りの泪橋交差点を渡り、いろは会商店会のアーケード街を通って訪問看護ステーションコスモスの本部に向かいました。商店会は「いろは会ミュージックフェス」のお祭り日で、あちこちで露店や屋台、路上ライブの準備等が行われており、いつもは静かな土曜の朝も、この日は華やいだ盛り上がりの予感が漂っていました。コスモスの入り口でチャイムを押すと、所長の山下眞実子さんが笑顔で出迎えてくださいました。


続きを読む
2015-12-01 09:39 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年11月24日
出張報告第一弾 〜予期せぬハプニング遭遇編〜
皆さん、サワッディーカー(タイ語で「こんにちは」)。タイ事業担当の広本です。先日10月に工藤芙美子アドバイザーと出張に行って参りました。今回はその出張報告第一弾として、報告をさせて頂きます。

現地化インタビュー開始
今回の大きな出張目的の一つは、25年間継続してきたタイ事業終了に当たり、タイで成し遂げた現地化の学びをまとめるために、関係者へインタビューをすることでした。工藤アドバイザーが1990年にタイ事務所を立ち上げ、共に活動を行ってきた関係者が、現在のタイの財団HEALTH AND SHARE FOUNDATION(HSF)の理事や顧問となり、新財団を支えています。そこで、HSFの理事/顧問や、現地化に関わった元スタッフ、HSFスタッフ、総勢15名にインタビューを行いました。


インタビュー中のハプニング
インタビュー中には、色んなことが起こりました。まず予定していなかった関係者が、インタビューを受ける気満々で、インタビューを聞きつけていらっしゃいました。当初は最近現地化に関わった方だけ、インタビューのリストに入れていましたが、工藤さんからもできるだけ多くの関係者に情報収集をした方がよいとのアドバイスでしたので、急遽予定外の方もインタビューをすることになりました。

さあ、いざインタビュー。インタビューというのは、インタビューする人がファシリテートをしながら進めていくイメージを抱いていたのですが、いつの間にか、インタビューを受ける人が一人で話し始めました。今回のインタビューでは、工藤さんがインタビュー質問をされ進めていく予定でしたが、工藤さんが一言も話さない内に、インタビューを受ける人が話し続け、30分が経ちました。人によっては1時間も経過する人もいました。しかし、話の中で、インタビューで聞きたかった質問に応える形になったので、その疑問はさて置き、私はインタビュー記録に専念しました。やっと一息ついた30分後に、工藤さんがインタビューの趣旨を話し、未だ聞けていない項目をピックアップして、質問をしていきました。結局、工藤さんがインタビューを普通の形で始められたのは、ほんの一握りの理事とスタッフでした。、工藤さんと共に活動をしたことがあるほとんどの方は、工藤さんに語りたい思いが溢れ出て、話が止まりませんでした。1人当たりのインタビュー時間は1時間を予定していましたが、大体2時間近くかかりました。


また、インタビュー中に、ある理事のご主人が原因不明の病気にかかり、検査中だと伺いました。インタビューを終えた後、そのご主人が意識不明で県病院に入院したとの連絡が入りました。お世話になっていた理事とご主人だったので、インタビューの空き時間を使って、急遽お見舞いに行くことになりました。HSFスタッフやHSF代表理事にも事情を報告し、急いで病院に行くと、ご主人らしき方は、ICU(集中治療室)入口正面の通路で、簡易ベッドに載せられ、家族や関係者に見守られていました。意識不明なのに、個人のスペースがないことに、驚きました。さらに驚いたことには、理事のご主人とはお顔が違うようで、こんなに顔が変形したのか、それにしても関係者が知らない人ばかりで、工藤さんに本当に理事のご主人かと聞いたら、あっさり違うということでした。結局人違いでしたが、工藤さんが昔一緒にお仕事をされた疾病対策局職員で、知り合いということでした。結果的に、工藤さんがお見舞いをされたことは、ご家族から喜ばれました。その方は、同日夕方に亡くなられ、HSFの理事/顧問の身近な部下で親戚関係だったということもあり、お通夜にも同席することになりました。どうやら私たちは、理事のご主人と部下の方のお話を聞き間違えていたようです。

病院を後にして、次のインタビュー先(前活動地)のワリン郡へとタクシーで向かいました。ウボンラーチャターニー市内から約6km離れた隣の郡病院です。そこでのインタビューが終わり、またタクシーに乗ってウボン市内に戻る途中、タクシーの運転手さんに『市内へ』「ナイ ムアン」(タイ語)と言ったのですが、さらに北に50km離れた「ムアン」という郡の名前と誤解されていたことが、直前の分岐地点で発覚しました。先ほど市内から来た道とは違いましたが、ラッシュアワーに合わせて道路を選ぶことが多く、特に疑っていませんでした。「空港近くに」と言い直したら、「ムアン」郡には空港がないことを運転手が気付き、私たちが行きたい場所は市内だと途中で気付いたそうです。実はタイには5つの音声があり、高低のトーンにより、意味が異なってくるのです。『市内』という意味の「ムアン」は低音です。しかし、「ムアン」郡(実際はムアン サーム シップという名前)は高音で始まります。運転手は私たちの発音を聞き間違えたようです。ということで、この日はタイ語のミスコミュニケーションなど、色んなハプニングがあった日でした。


その後は、インタビューの流れに慣れて、予定していなかった人も機会があればできるだけ増やしていきました。インタビュー期間中は、工藤さんが昔関わったことがある関係者から、料理のおもてなしを受けて、いつも満腹状態でした。特にHSFの代表理事のアーカードさんは、工藤さんが大好きな食品をテーブル一杯にご用意され、工藤さんとの関係の深さを知りました。さらに、インタビューでは、工藤さんと共に活動をされた理事や顧問から工藤さんの功績が称えられ、改めて工藤さんが実施されてきた活動が、現地の人から認められていたことを知り、現活動も切磋琢磨していかなければならないなと思いました。


今後は、インタビュー記録をまとめていく作業と日本でのインタビューが残っています。3月にはタイ事業終了の報告会をすることを目指して、現在タイの現地化をまとめる作業を行っています。

また後日、出張報告第二弾をお届けします。



タイ事業担当 広本 充恵


**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-11-24 15:57 | 記事へ | タイ日記 |
2015年11月16日
保健ボランティア会議を盛り上げる工夫と立役者のご紹介
カンボジア事務所の山瀬です。

最近のカンボジアは雨季の終わりが近づいているのか、ザーッと激しい雨が降るようになり、幾分か涼しくなってきました。
大雨が降ると都市部ではしばしば交通渋滞や冠水といった大変なことになってしまいますが、これから始まる乾季に向けてカンボジアの大地を潤す恵みの雨となっていることでしょう。

私たちが地域での子どもの栄養改善活動を実施するにあたって、重要な役割を果たしているのが保健ボランティア。保健ボランティアはカンボジア保健省の公的ボランティア制度で、基本的に各村に男女各1名、計2名が配置されています。主に村長さんや村の要職を兼ねる人々が担っており、村のことや住民についてとてもよく知っている地域保健活動のキーパーソンです。

シェアは活動のなかで、郡保健局や保健センターと協力して3ヶ月に1回の頻度で保健ボランティア会議を実施してきました。
この会議は保健センターごとに行われ、四半期の活動を振り返り今後の計画を見直したり、活動を実施する上での問題の解決を皆で協議したりします。また、会議の場を利用して、保健センター・スタッフを講師に体重測定や保健教育スキル向上のためのミニ研修を実施しています。
シェアのカンボジア人スタッフは、この3ヶ月に1回の会議に、保健ボランティアが積極的に楽しく参加できるよう、歌やゲームなど様々な工夫を凝らしています。


今回は9月に実施した会議でのその取り組みを紹介します。

毎回の会議では、離乳食教室でお母さんたちと歌う栄養や子どものケアの歌の練習を行います。この歌は、シェア・スタッフが歌詞を考案し、カンボジアでポピュラーな曲を用いた替え歌となっています。歌う際には、シェア・スタッフがギターやリコーダーで伴奏し、歌の上手な保健センター・スタッフや保健ボランティアが参加者をリードします。


3大栄養素の歌
アンコールトレッ保健センターの会議では、1名の保健ボランティアさんが、カンボジアの伝統的な弦楽器:トローを使った伴奏をかってでてくれました。
会議会場の保健センターにはとても素敵な音色が響き、参加者も大喜びで、カンボジアらしいとても素敵な演出となりました。
保健ボランティアさんはとても滑らかに音を奏でていますが、実は音を出すのがとても難しいそうです。このボランティアさんがもう50年くらい演奏をおこなっているとか。私も何度か挑戦しましたが音らしい音は全然でませんでした。。。

トロー演奏で盛り上がる保健ボランティア会議の様子


もうひとつは日本のラジオ体操。
最近、カンボジア事務所では「“Health for All”は自分たちから」ということで、午後の業務のスタート前に、歯磨きとラジオ体操を実施しています。そのラジオ体操をぜひ保健ボランティア会議で実施したいとスタッフの提案で、会議のリフレッシュタイムにラジオ体操を導入することになりました。

先に体操をマスターしたスタッフが中心となり、スピーカー持参で実施しました。なかなか体操文化のないカンボジアですが、どの保健センターでもとても盛り上がって大変好評でした。

ダムレイプオン保健センターでのラジオ体操

これからも、どうしたら活動の対象者が積極的に参加し、楽しく学べるか試行錯誤しながら、様々な取り組みを行っていきます。

シェア・カンボジア事務所
山瀬 直子


**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2015-11-16 12:55 | 記事へ | カンボジア日記 |
看護職としての目や感覚を大切にした医療通訳派遣調整
こんばんは。
在日外国人の健康支援事業を担当している山本です。
私がシェアに入職して通訳派遣調整を行うようになった当初は、この仕事は事務的な仕事であり、“看護職でなくてもできる仕事”だな、と感じていました。しかし、その認識は徐々に変わっていき、今では通訳派遣調整は“看護師の専門性を活かせる業務”だと感じています。


通訳派遣調整の様子
こちらの写真は、東京都における外国人結核患者の療養支援のために通訳派遣調整を行っている横川です。横川は、看護師でもあり助産師です。
机の上に何枚もの通訳派遣依頼書がならんでいるのがお分かりでしょうか。
これまでの派遣数は多くても年間170件台でしたが、今年はなんとすでに200件を超えています。


通訳派遣調整の流れ
東京都と協力して実施している通訳派遣調整業務はこのように進みます。 
まず保健所は、病院から外国人結核患者発生の届出を受けると、その患者の担当保健師は患者との面談を行い、患者さんが順調に治療完了できるように、病気の説明や入院勧告の説明など様々な話をします。その面談後も、担当保健師は、定期的に担当患者の入院先へ訪問したり、受診同行や、保健所・患者自宅での服薬確認などを行います。これらの療養支援は、患者の結核治療が完了してからも続き、結核の再発がないことを確認するために約2年間、検診や面談などを通じてフォローアップを行います。

対象患者が、日本語が通じない場合、保健師は東京都福祉保健局の感染症対策課結核係に通訳(治療・服薬支援員)派遣の相談と依頼をします。その依頼を受けて、東京都から派遣調整を担当しているシェアに、通訳派遣依頼書が届きます。それを受け取ったシェアは、横川を中心に、通訳、保健師と連絡調整を行い、通訳派遣を成立させます。通訳派遣調整の際は、通訳活用が初めての保健師に対して、通訳活用の注意点の情報なども提供しています。


看護職が行う通訳派遣調整の特徴
私達が通訳派遣調整を行うと、「通訳派遣を成立させること」と同時に「外国人結核患者が担当保健師のサポートを得て順調に治療完了ができること」も目指しながら調整役を担うことができます。
同じ看護職である保健師の立場に立って考えることができるため、外国人結核患者の療養環境を整える上で、保健師が困っていること、例えば在留資格関連のこと、健康保険のこと、対象外国人の出身国医療のこと、等を察しながらお話を聞き相談に乗ることが可能です。
保健師からの信頼を得て、年々保健師から直接相談を受けることが増えています。

保健師は、治療完了に向けた調整のために、1人の外国人結核患者に対して何度も通訳派遣を依頼することになります。また、出身国や病状が違う外国人結核患者を年間通して複数担当することあります。そのため、保健師と通訳派遣調整のために電話で話している時、“このケースでは療養環境の整備がうまくいっていなくて困っていらっしゃるな”と感じた場合は、その保健師と日々の通訳派遣調整で培った関係性を活かして、どうしたらその課題をクリアできるか一緒に考えることも良くあります。

「通訳派遣調整」の最終受益者である“外国人患者”に常に意識を向けつつ、“保健医療職”として取り組むことができるのは看護師の強みなのかしら、と感じています。
しかし、私達を含む保健医療職の能力次第で、その外国人患者の治療に、ひいてはその人の人生に多大な影響を及ぼしてしまうので、その分責任も重大です。


看護職としての目や感覚を大切にして
国際看護師協会(ICN)の倫理綱領の中にこのような一文があります。
「看護師は、一般社会の人々、特に弱い立場にある人々の健康上のニーズおよび社会的ニーズを満たすための行動を起こし、支援する責任を社会と分かち合う」と。

外国人結核患者にとって必要な存在である保健師のみなさんに寄り添いながら、より良い療養環境をつくれるよう、看護職として、保健医療職としての目や感覚を大切にして、関係者の皆さんと共に、日々努力してまいります。

在日外国人支援事業担当
山本 裕子


**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2015-11-16 12:51 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
2015年11月02日
カンボジアスタディツアー報告(2)ー人びとの健康に関わりカンボジアで学んだことー
8月下旬に行われたシェアカンボジアツアー。9月16日のブログに続き、
今日は、参加者のアンケートから5人の方の感想をご紹介します!
実際に現地を行った方が感じたカンボジアは五人五様。ぜひお読みください!

-----------------------------
実際のコミュニティに足を運び、村の人の生活を目で見て肌で感じると、本当に今まで自分の知らなかった世界が広がっているのだと思いました。文化も慣習も考えも違う人々と直接関わり、現地の声を聞くことができたのは何より新鮮でした。

想像以上に村のお母さん方が子どもの健康に対しての関心があることに驚きました。村の方々の意識を変えることはできているのはとても大きなことで、あとは村の方々自身の実践が習慣となればいいのかなと思いました。この段階までこられているのはシェアが、郡保健局や保健センター、保健ボランティア、村の方々など現地の方々とお互いが納得し、理解するまでコミュニケーションをとり、一から信頼関係を築き上げたからこそ成り立っているのだと思います。改めて人と人とのコミュニケーションの大切さを知ることが出来ました。

また、日本に比べれば貧しいといわれるカンボジアの村でも、ゆったりと流れる時間や、村人同士の強いつながり、人々の温かさを感じ、日本にはない「豊かさ」を感じました。改めて、人の本来もっている温かさを感じ、人が好きだと思いました。そんな人々の健康を守ることは素敵なことだと心から思ったので、いつか私もこのような地域の方々の健康を守っていける存在になりたいと思いました。

今回お世話になったシェアのスタッフの方々をはじめ、村の方々、共に学んだ参加者の皆さんには心から感謝しています。本当にありがとうございました。

臼井 夕奈(看護学生)



-----------------------------
 2011年の看護学生の時に参加した、シェアのタイのスタディツアーでの印象が強く残っていました。いつかカンボジアのスタディツアーにも参加したいと思っていたので、今回参加する事ができ嬉しく思っています。

 私は国際協力や国際看護に対しては元々興味が強い方ではなく、NGOの実際の活動も、シェアを知ってから初めて学ぶ事が多かったです。日本に帰国後も「国際協力とかって言うけど、日本で困っている人もたくさんいるじゃない」という友人のストレートな意見に対して、怒りの感情はなく、以前の私は同じように考えていたなと思いだしました。

 カンボジアについても知らない事が多く『募金で村に学校を作ろう』『地雷を撤去しよう』『井戸を掘ろう』のように、スローガンのようなメッセージは耳にする事が多かったのですが、実際はよく知らない国の一つでした。
 今回のスタディツアーの中でポルポト政権時代の歴史、農村地域と都市部の比較、村の人の生活、またそこから生まれる健康問題を学び、保健センター、州病院の見学、シェアのおこなう母子に対する栄養指導、成長モニタリング、保健ボランティアの方、保健センター、郡保健局との関係構築など、プライマリーヘルスケアの実践を見学する中で、以前より医療や健康という側面からカンボジアという国が理解できたと思っています(私はシェアの行うアイスブレークや、楽しい参加型のプログラム、わかりやすく面白い資料にシェアらしさを感じて、好感を持っています)

 ツアーの中で毎日、美味しい料理を食べ、シェアのスタッフの方の優しさに触れながら、カンボジアという国のファンになり、以前よりも心の距離が近く感じている自分もいます。そしてそこで暮らす人々の現在起きている生活上の問題に対して、自分に何ができるのか、何もできないけど何かしたいという感情も生まれてきた気がします。

 日本に帰国後、シリアの難民のニュースに対して衝撃をうけました。本意ではない形で、国、家、生活を捨て、他国で生きていく事を決断した人々が数多くいる事に驚いています。以前より他国で起きている事象に対して、何かを感じる事が多くなり、もっと知りたいと思う事が増えた事が、今回のツアーを通しての自分の変化だと思っています。

栗原 良太(看護師)



-----------------------------
私がこのスタディツアーに参加したのは、大学の先生に紹介していただいたことがきっかけでした。
もともと国際協力に興味もあり、現地の人々を中心に据えた支援を行っているシェアの活動にとても惹かれました。いままで途上国へ行ったことがなくテレビや本の知識だったので、実際に現地へ赴き、その国やその国で行われている活動を肌で感じることができ、楽しくて仕方なかったです。

プログラムに組み込まれている村歩きでは、日本で普通に暮らしていたらまず見られないだろう景色に囲まれて、本当に歩いているだけで楽しかったし、現地の人々の暮らしぶりもたくさん見えてきてとても刺激的でした。実際に保健活動に参加している村のお母さんたちから子育ての話を聞いていると、日本の母親と同じ悩みを感じていたり、逆にそれぞれの国の子育ての環境や悩みにお互いが驚くこともあって、とても有意義な時間を過ごすことができました。
カンボジアの病院見学の時は、日本では考えられないような病院環境を目の当たりにし、私を含めたほとんどの参加者はショックを受けていました。それでも年々病院も綺麗になっていき、少しずつ環境が変わってきているという話も聞きました。

カンボジアには経済的な問題、人材不足を含めた教育の問題など、たくさんの問題が見えてくるけれど、着実に良くなってきているという事実も同時に見えたスタディツアーでした。
カンボジアの国の方々の心の豊かさ、金銭的なものから生まれるのではない生活の豊かさ、そして自分たちの環境をどんどん変えている力強さも感じることができ、カンボジアとその国の方々がとても好きになりました。参加して本当に良かったです。
また機会があったらタイのスタディツアーにも参加してみたいなと思います。素敵な経験をありがとうございました!!!

畠山 菜々枝(看護学生)



-----------------------------
郡保健局の局長から村のお母さんまで、医療や保健に関わる様々な立場の人たちに質問し触れ合えたことが私にとって最も学びを得た経験となった。様々なエピソードを聞くうちに“自らの力を信じ相手の力を信じること”が同じ目標を達成するためには重要だと感じた。各々に役割があり能力がある機関や人が、お互いを信じることで繋がり、恊働できるようになる。しかし、人々の意識を変え繋げるのは簡単ではなく、根気と時間がかかるということを知った。
シェアは地道な働きかけにより、バラバラだった人々や機関同士を繋げ、恊働できる環境を作り上げていた。ここに「撤退した後も持続可能な事業を」という強い信念を感じた。保健ボランティアとその影響力、お母さん達の知る事への意欲、保健センター看護師の自信に満ちた表情や受け答え、エンパワーされたカンボジアの人々のキラキラした瞳は忘れられない。
 
 ツアーを通して、カンボジアの人々に様々な質問を投げかけていくうちに、自分がどのような所に着目しやすいか何に興味があるのかを見つめ直したり、新たに発見する機会となった。また、違ったバックグラウンドをもったツアー参加者から新たな視点を得たり広げることができた。ツアーの日々の全てが充実した刺激的であった。

大橋 明日香(看護師)



-----------------------------
今回初めてカンボジアを訪問し、歴史的な背景から、今の人たちの生活を直にみることができ、とても貴重な経験ができました。今回の私のスタディーツアーの目的は、シェアカンボジア事務所がどのように運営されていて、母子保健のプロジェクトはどのように進行していくのかを学ぶことでした。また、自分の仕事に関することで、カンボジアでは薬の供給や医療制度も知ることができればと考えていました。

今回ツアーで学んだことは、どの現場でも、そこで働く人や、生活している人の声に耳を傾けて、その人たちの生き方や考えを尊重する大切さでした。自分の当たり前の価値観を考えなおすツアーになりました。

秋山 季奈(シェアインターン・薬剤師)


**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2015-11-02 13:47 | 記事へ | カンボジア日記 |
世界中のTwitterオフィスのボランティア活動で
こんにちは。東京事務局の西山です。

最近は、企業の社会貢献の一環として、社員参加型のボランティア活動が注目されています。
その社員ボランティア参加プログラムとして、シェーちゃんアーちゃんぬいぐるみ作りを選んでいただく企業が増えています。特に10月は大人気で、シェアスタッフが企業や団体向けにワークショップをさせていただきました。

今回は、先日行われましたTwitter Japan様のワークショップの様子をお伝えします。


☆ Friday For Good 〜Twitter Japan様でのワークショップ〜

10月16日(金)では、Twitter Japan様で今回初めてぬいぐるみワークショップを実施しました。
Twitter社では、世界中のTwitterオフィスでボランティア活動をする「Friday For Good」の日が設定されていて、当日は3つのボランティア活動が予定されていました。児童養護施設、清掃活動と並んで選ばれたのがシェアのぬいぐるみワークショップです。

創造力が豊かになりそうな空間の、とても素敵なオフィスで、どのようなぬいぐるみができるのか、期待も高まります。


☆ ぬいぐるみ作り前にカンボジアの状況について説明
まずは、シェアスタッフからカンボジアの活動の様子や子どもの健康の状況を伝えます。作ったぬいぐるみはどのように活かされるのかもご説明します。

ぬいぐるみは型紙はありますが、作る人のアイディアで様々なうさぎの形や顔ができ上がります。
さすが、今回は創造力豊かなTwitter社員の皆さんということで、枠にとらわれない、かわいらしいうさぎたちが出来上がりました。
このぬいぐるみを受け取ったカンボジアの子どもたちも、喜ぶことでしょう。
Twitter Japanの皆様ありがとうございました。

このようにシェアでは、社員の方々のグローバルな視点を持って途上国への関心を広げることや、ボランティアに対しての意識の醸成を目的にぬいぐるみワークショップを行っています。
ご関心のある企業の方はぜひお問合せください。


事務局次長 西山 美希


**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2015-11-02 13:45 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年10月26日
江戸川バザーは「もったいない」と「ファンドレイジング」のコラボイベント!
こんにちは。支援者サービス・普及啓発事業インターンの秋山です。

秋も深まり、朝夕は肌寒く感じられるようになりました。そんな涼やかな秋空の下、10月11日に第38回江戸川区民まつりが開催され、バザーコーナーに出店させて頂きました。

今年の売り上げ目標は、8月25日のブログでもお伝えしたとおり30万円でした。そして、結果は309,275円! 3年連続30万円の目標を達成することができました。この売上金はシェアの海外・内の「いのちを守る活動」支援金となります。ご協力頂いた方々、また、当日バザー品を購入して下さった方々、ありがとうございました。

当日の朝は雨が降っていました。ちょうど土砂降りが始まった朝6時から「朝だけボランティア」さんが、事務所の倉庫から車へのバザー品の積み出しをお手伝いくださいました。篠崎公園にバザー品が届くと、スタッフ、インターン、販売ボランティアさんがお店作りを開始。シェアのブースは品物が良いと評判で、バザー開始1時間前から、カッパを着て自転車に乗った方が買い物。9時開始時には、雨だというのに、すでに多くの方が足を止めて出品物を見に来て下さり、テント内はたいへん賑わっていました。その勢いが空に届いたのか、お昼にはパーッと晴れ空が広がりました。

午後はいっそう来場者が増え、テント裏に積み上げられていた全国の支援者のみなさまからご提供いただいたバザー品の山はみるみる小さくなりました。売れ筋は、タオルなどのリネンや食器類。洗剤などの日用品も大人気です。値引き交渉は列ができるほど、皆さん熱が入ります。ある方は、たくさん買ってくださり、その荷物を家に置いてまたいらして下さりました。他にも、新しい出品物に気に入ったものがあるかどうか、何度も見に来てくださる方もいらっしゃいました。テント裏の出品物が無くなり、秋の夕暮れが覗かせる中、賑わいが絶えることのなかった江戸川バザーは終了しました。

最後に、私自身バザーは今回が初めてでした。いろいろな方が買いに来て下さり、お客さんとたくさんコミュニケーションを楽しませて頂きました。時に、値引き交渉のパワーに圧倒させることもありましたが、江戸川バザーは市場のような活気があり、とても盛り上がりました。

江戸川バザーに向けて、バザー品を下さった方々、準備や当日の運営、片付けにご協力してくださった方々、ボランティアのみなさま、誠にありがとうございました。ディスプレイが好きな方、販売が得意な方、お客さんとお話しするのが好きな方、とにかく声を出すのが好きな方、お祭り好きな方、是非来年はボランティアとして参加してみませんか。

秋の夕暮れの中、スタッフ、ボランティアさんで終了オリエンテーション。お疲れさまでした!
2015-10-26 14:39 | 記事へ | 東京事務局日記 |
タイスタディツアー報告(2) 〜タイから学ぶHIV/エイズの活動〜
8月15日から23日まで、総勢15名でタイスタディツアーに行ってきました。前回に引き続き、スタディツアー参加者の感想文を、ご紹介します。

現地法人化という一つのゴールを迎えた活動の成功要因は何だろうと思い、今回のスタディーツアーに参加しました。政府による強いリーダーシップがあったこと、基礎的な教育が受けられること、保健医療サービスが整備され機能していることなどは、タイのHIV対策の成功要因として耳にしたことがありました。私がとても大切だと感じたのは、活動地の住民や関係機関と強固な信頼関係を構築すること、丁寧に現地のスタッフの能力強化を行うことでした。住民と対話を重ねることで真のニーズを探り、彼ら自身の気付きと問題解決を促していくシェアとHSF(HEALTH AND SHARE FOUNDATIONの略、前タイ事務所のこと)の活動は、まさにプライマリ・ヘルスケアそのものでした。
日本とは大きく異なる環境で生活しながら、「健康に幸せに生きるとはどういうことか」「そのために私は何ができるのか」を考えた8日間でした。タイで過ごした日々は私の宝物です。出会うことができた人々と支えてくれたスタッフに深く感謝します。

根岸 由美子(薬剤師)



出発前から体調に自信がなく不安でしたが、知人と一緒ということとスタッフの頻回の体調確認の声かけで安心できました。ツアー中は、ハードスケジュールで、暑さと疲れ、不眠が続きましたが、無事に終了でき嬉しかったです。自分の目で直接見たいという目標は達成できたと思います。
子どもたちの学校での性教育や草の根の地に足のついた地域での支援方法など参考になりました。最も印象に残ったことは、学校での性教育の実際です。日本では若い人たちの援助交際や諸々の現状が報じられる中で、子どもたちの将来がとても心配です。

野口 トシ子(看護師)


女装されている方や、女性的な話し方をする方もおり、当初は戸惑いを感じましたが、付き合いが長くなるうち、戸惑いや違和感は消え、彼らがMSM(Men who have Sex with Menの略、男性を性の対象としている男性のこと)という性的傾向を持つ人たちであることも自分の意識からなくなってしまっていました。彼らが「特別な人たち」ではないことを体得したことだけでも今回のツアーに参加してよかったと感じています。
MSMグループやHIV陽性者グループの活動を見て、全体的印象として感じたのは、ややもすれば不当な差別や偏見の対象となりがちなMSMやHIV陽性者の人たちが、個人ではなくグループとして組織化する(される)ことによって自分たちの置かれている立場や状況を改善できるということでした。グループの活動を通じて、MSMグループの人たちは自信を深め、HIV陽性者グループの人たちは人間的尊厳を高めることができたのではと彼らとの触れ合いの中で感じました。
最後に今回(私が暮らしているバンコクではすっかり感じられなくなった)タイ人の優しさに触れ、「やっぱりタイ人は優しいなあ」と再確認できたのは嬉しいことでした。

福村 州馬(地域開発専門家)


私は将来何らかの形で国際協力に携わりたいという思いがあり、HIV予防活動は選択肢の一つとして実際に目で見たくて参加しました。HSFの活動は、HIVの予防からHIV陽性者への関わりまで様々なものがあると知り、本当にたくさんの事を学ばせて頂きました。活動を見学して、もっとHIVについて詳しく知識を得たいと思いました。このツアーに参加したというだけで終わらせるのではなく、帰国後に周囲の人にも伝えていきたいと思いました。また、将来像も少しですが分かってきた気がします。本当に充実した毎日でした。ありがとうございました。コープクンカー(タイ語で「ありがとう」)!

渡邉 舞子(看護学生)


HIV陽性者の活動について知りたいと思い参加したが、参加してみて当事者がサポートし合う姿や、陽性者またはMSMなどが積極的にさまざまな活動を行っているのが印象的だった。
家庭訪問では服薬管理の難しさや、それに対するサポートについて見ることができたが、服薬の中断にはどのような背景があるのかなどについてリーダーが丁寧に聞き、今後の方向性を話しており、当事者だからこそ話せる話であるのかもしれないと感じた。特にタイの場合、医師と患者に上下関係があるというのを踏まえると、同じ立場で話せる人がいるというのが大きな鍵となっていると思う。
マイノリティの人々が自信を持つことで、活発な発信に繋がっているということを学べた。タイでのホームステイは、日本では経験できないこともたくさん経験することができ、忘れられない思い出になりとてもよかった。

宮島 真美(看護学生)


**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-10-26 14:37 | 記事へ | タイ日記 |
「次」に繋げるNPOのイベント、自団体らしいグローバルフェスタ運営へ
日本で最大規模の国際協力イベント
毎年10月の第一週目の土日は「グローバルフェスタ」が行われます。日本で最大規模の国際協力イベントで、NGOや外務省・大使館、企業が出展します。グローバルフェスタといえば、各国の料理を食べたり、それぞれの国の特色があらわれる民芸品を買ったりすることが楽しみの一つで、多くのブースでここぞとばかりに販売に精を出すスタッフやボランティアの姿が見られます。このようななか、シェアは今年民芸品の販売を行いませんでした。「ブースに人が来なくなる」と危惧するスタッフもいましたが、組織としてあえて販売しないとう選択をしました。

「ブースに人が来なくなる」という不安
スタッフの心配ももっともです。これまでシェアは、グローバルフェスタで民芸品を販売しなかったことがありません。パネルを用いた活動紹介と民芸品販売、この二本柱でブースを運営し続けてきた長い経験があるからこそ、変えていくことへの不安があります。
ですが、フェアトレード事業を行わないシェアは、他NGOと比較して民芸品自体の競争力がありません。また、民芸品目的に人がブースを訪れ購入してくれたとしても、家に帰ればどこのNGOブースで買ったのか、そして活動内容を覚えている人は多くはないでしょう。これではシェアことを知って、そして応援してもらうことは難しいのです。
2日間の来場者10万人。シェアを知らない多くの人が訪れるのだから、物販でファーストコンタクトをとるだけでなく、もっと強い繋がりを作っていきたい。土日の二日間、秋とは思えない暑い日差しのお台場で、ボランティアさんと共に客を呼び込み、ブースを運営しました。

イベントが終わった後も、来場者と繋がるために
シェアは、2009年頃より少しずつグローバルフェスタのブース運営を変え、ブース来訪者を次に繋げていく仕組みを強化してきました。
繋げる先としては直接マンスリーサポートプログラムを検討したこともありましたが、国境なき医師団などのように知名度(=シェアを知らない人のシェアへの信頼)のないシェアは、イベント会場ですぐに寄付者になってもらうことは困難です。この3〜4年は、情報で繋がり続けるメールマガジン購読、参加という繋がりをつくるシェア主催のイベントやボランティアプログラムに繋げようとしてきました。
そのために今年は、274団体がブースを出展する会場で埋もれないようにブースを目立たせ、物販とは異なる方法で人を呼び込み、テンポよく活動を説明し、クロージングする、この流れを23人のボランティアさん、インターン、スタッフとつくりました。

事務局内のプログラムと連動させること
今年は特にメールマガジンへと繋いでいます。本当はリアルに顔をあわせることができる、イベントやボランティアプログラムに力を入れていきたいところですが、これはグローバルフェスタ単体ではなく事務局のプログラムと連動させなければなりません。
以前は、誰でも気軽に参加しやすいボランティアプログラムがありませんでした。ですが、2011年より、平日日中毎週火曜に開催する火曜(通う)ボランティアプログラム、夜19時より行う広報紙「シェアライフ」編集ボランティアプログラムを開始し、少しずつボランティアへ誘導しやすくなってきました。
課題はイベントです。活動報告会を行っていますが、初めてシェアを知った人、社会貢献に興味を持ち始めた人にとっては敷居が高いイベントです。本当は友だちも誘って行けるような気軽な「イベント」や「場」が誘いやすくてよいのです。今回は12月に開催予定の駐在員帰国報告会を提示しましたが、12月とかなり先のことであるうえ日時も決まっておらず次に繋げる力が弱い状態でした。
組織のプログラムを俯瞰的に見て、ファーストコンタクトをとった人との接着点をどのようにつくっていくのか見直していく必要があります。しかし、組織の体力や、マンパワー不足、プログラムの優先順位も影響するため、NPOがここを容易には拡げていくわけにはいかないのが実情です。

一年一年、一歩一歩、確実に次に繋げていく
組織的な背景もありグローバルフェスタ運営の変化はゆっくりとしたものです。また、変化を組織全体で腹落ちしていなければまたもとの方法に戻ってしまいます。新しい方法を試しては、振り返り、後戻りしないように組織全体で腹落ちさせて、少しずつ変わってきました。
今回やめた「民芸品販売」もその一つ。先日行われたグローバルフェスタの振り返りミーティングで、「民芸品販売」についても話し合いました。そして、グローバルフェスタはシェアに関心がありそうな層を対象として伝える活動に特化していくこと、集客は物販以外で保健医療団体らしい方法で工夫をしていくことで、来年も「民芸品販売」を行わないことが決まりました。この決定は、これまでグローバルフェスタを2日間だけの単体のイベントとして捉えがちだったものを、来場者を次へ繋げるステップとして位置付けていくということでもあります。
組織として新しい経験を作り、蓄積していくことで、変わっていきます。そこには、これまでのグローバルフェスタのイベントに関わってくださったボランティアさん、インターンさんがいます。単年での関わりの方がほとんどですが、共につくるイベントは、2日間だけでなく長期的にこれからのシェアをつくっているのです。
トップダウンの組織や企業のようにスピーディーにはいきません。それは課題でもありますが、多様な人々を巻き込みながらの一歩ずつの変化が、NPOシェアらしいやり方なのだと思います。シェアに関わってくださるボランティアさんをはじめ、多くの方に感謝するとともに、これからも共にシェアをつくってもらえたらと思います!


東京事務局広報担当
飯澤幸世

**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2015-10-26 14:34 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年10月19日
なぜ東ティモールで学校保健活動?現地のニーズに応えるシェアの活動
東ティモール事務所からこんにちは。プロジェクトコーディネーターの山本です。

私たちは首都のディリ県と、隣接するエルメラ県で学校保健のプロジェクトを実施しています。今回は私たちが学校保健活動を支援する理由について、東ティモールの保健・医療状況をふまえてご紹介しようと思います。

東ティモールで道を歩くと、まず驚くのは子どもの多さです。
それもそのはず、全人口の46%が14歳以下で、合計特殊出生率は6.0 (2012年)です。日本の人口ピラミッドと比べるとずいぶん違いますね。首都から何時間もかかるような山奥に行っても、600人〜800人規模の学校がたくさんあります。

【人口ピラミッド】画像参照

東ティモールの学齢期の保健課題は、子どもたちが予防できる病気にかかりやすいこと、予防できる病気で命を落としていることです。5〜14歳の主な死因は感染症で、肺炎、下痢、結核などが上位を占めています。
道を歩くと子どもたちが「Bom dia!(おはよう)」と満面の笑みで声をかけてくれますが、このように比較的健康な子どもたちも口の中は虫歯で真っ黒、青っぱな(緑色がかった鼻水)を袖で拭いている子がけっこうな割合でいることに気づきます。(ちなみに風邪をひいた時などに青っぱなが出るのは、栄養不足、特にタンパク質摂取不足により白血球の力が低下しているサインだそうです。)

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。

1つ目の理由は、子どもたちが病気予防のための行動がとれないことです。

日本では、家では親やその他の家族が、学校に行けば先生が、手洗い、歯みがき、お風呂、バランスのとれた食事など、病気を予防するためにはどうすればいいか教えてくれます。家にも学校にも水道があり24時間水が出るので、手洗いも歯みがきも必要な時にいつでもできます。
また「学校保健法」という法律があって、子どもは必ず1年に1回学校で健康診断を受け、問題があったらすぐに保健室で養護教諭(保健室の先生)に相談したり、病院で診てもらうことができます。

東ティモールではどうでしょうか。

家族や先生が病気予防のためにどうすればいいかよく知らないことがあります。お母さんは子どもたちがしっかり手を洗っているか、歯をみがいているかよく見てあげたいのはやまやまなのですが、一般的な家庭では子どもが5~6人。
日本のように便利な家電製品は手に入らず家事に時間がかかるので、子ども1人1人の面倒をみる時間はどうしても短くなります。日々の生活を維持する・家事をするなどの「現在」を考えるのでせいいっぱい、病気の予防などの「将来」について考えることが難しい、という家庭も多いのです。

手を洗おうにも、住む地域によっては水道がなく、遠くの水場まで子どもたちが毎日水汲みに行かなければなりません。乾季になると水不足になったり、水場によっては濁った水しか手に入らなかったりします。学校での定期健診の制度や、保健室もありません。このように、「人や知識」の要因と「環境や物」の要因によって、子どもが病気予防のためにはどうしたらいいか分からない、予防したくても適切な行動がとれないといったことが起こっています。

2つ目の理由は、病気にかかっても医療施設に行けなかったり、医療施設や医療者の数と質に問題があることです。

医療施設の数だけで見ても、ずいぶんと日本と差があることが分かります。自分の家から病院まで何時間も山道を歩いたり、雨季になって道路が水没し病院までたどり着けない、ということが起こります。また医師数も少ないため診療時間が十分にとれなかったり、若い医師が多いこともあって経験が乏しく、質の高い医療を提供できていないといった問題もあります。

このように、東ティモールは小学生・中学生の人口がとても多いですし、この世代は東ティモールの将来を担う人々です。しかし残念ながら子どもたちは予防できる病気にかかりやすく、重症化しやすく、病気になっても病院へのアクセスが悪いという状況にあります。

そこでシェアは、子どものうちから病気の予防のための知識と習慣を身につけることが非常に重要であると考え、学校保健への支援を行っています。東ティモールの学校で、学校保健が広まれば・・・

◆学校の先生が保健知識を身に着け、子どもたちに楽しく、わかりやすく教えることができるようになれば、一度に多くの子どもに知識を伝えられます。

◆学校という場を使うことにより継続的に保健教育ができます。
また、子どもが学校で習った保健知識を家で兄弟や親、親戚に伝えることによって、保健知識がより多くの人に伝わることも期待できます。

特に環境面での問題(水がないなど)は解決が難しいですが、その地域にある素材と知恵を使って、できうる限りの解決策を一緒に考え、活動を続けています。
具体的な活動内容については、こちらのブログ「世界で最も子どもの割合が多い国、東ティモールの学校ってどんなところ?」をご覧ください。

次回の東ティモールブログは、シェアの活動に長年関わってくださっている地元の方へのインタビューをお送りします。どうぞお楽しみに。


スタッフ 山本

**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2015-10-19 12:54 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2015年10月13日
最近の火曜ボランティアの様子をご紹介します-シェアのボランティアは一石三鳥−
最近の火曜ボランティアの様子をご紹介します-シェアのボランティアは一石三鳥−

 こんにちは。シェアの火曜(通う)ボランティアに参加している田中と申します。今日は皆さんに、最近の火曜ボランティアの活動の一端を様子をお伝えします。

 火曜ボランティアは基本的に毎週火曜日の午後1時半から3時半くらいまで、軽作業・事務作業などを中心にさせていただいています。
その前の12時半から1時半まで「昼食交流会」となります。スタッフさんやボランティアが皆それぞれに持参した昼食を食べながら、和気藹々と話の花を咲かせる楽しい時間です。「この時間が一番楽しい」と言う人も多いです。現地に派遣されたスタッフさんがおみやげに持ち帰ったタイやカンボジアのお菓子をいただいて舌鼓を打つこともあります。

ボランティア作業の前にDVD勉強会

8月と9月は、計3回ほど、午前11時からDVD学習会が開かれました。今年3月にシェアが事務局担当で、「第29回日本国際保健医療学会東日本地方会」が開催されました。そのプログラムの中から希望する分科会を上位2つ選び、記録集として作成されたDVD鑑賞することになったのです。選ばれたのは第1位が「難民問題」、第2位が「発達障害」でした。

第1回として8月18日に「難民問題」分科会記録を見ました。現在、戦火に追われてシリアからヨーロッパに多数の難民が殺到し、その受け入れがEC諸国で大きな課題になっているのはテレビニュースなどでご存知と思います。実は日本の保護を求めて来日する方もいるのですが、その中で日本政府が難民として認定する人数が極端に少なく、しかも長い時間が掛かっていることを知りました。これは国際貢献の分野で日本が積極的に果たすべき重要なことの一つなんですね。勉強になりました。

9月4日・11日には、「発達障害」分科会のDVDを2回に分けて鑑賞しました。発達障害の特徴が理解されずに苦しさを抱えている人たちが国内で推定で数十万人もいるそうです。分科会では、専門家・医師・当事者の方々が考えを述べ、多様な取り組みが紹介されました。特に当事者団体イイトコサガシの代表である冠地さんの生き生きとした様子が強く印象に残りました。人間として差別意識や偏見を持たずに、コミュニケーションの輪を作って育てていくことの大切さを教えられました。


9月のボランティアのお仕事

9月は「シェアライフ」発送の月です。4日と11日と、ボランティアの仕事は「シェアライフ」と送付資料の折り込みや封入、宛先のラベル貼りが中心でしたが、発送する封書の数は2千通以上ありました。こんなに多くの方がシェアの活動を支えてくださっているのですね。日本中の大勢の方々のご支援でシェアの活動が支えられているのを実感できた作業でした。

皆で協力してやる仕事は楽しいです。仕事に差し支えない程度におしゃべりをしながら作業を進めていくと、山と積まれた印刷物や封筒がしだいに減っていきます。全部が片付いたところで仕事は終了し、お茶をいただいてお開きとなりました。


火曜(通う)ボランティアの3つの嬉しい点

第1点は、社会貢献ができることです。シェアは海外や国内で、保健維持・健康向上の取り組みを中心に、人々の幸せにつながる様々な活動に取り組んでいます。その大事な活動のお手伝いができるのは嬉しいことです。

第2点は、私たち自身の視野が広がり、世界が近くなることです。スタッフさんやボランティアの皆さんと交流するだけでも目を開かれたり新しく知ることが多いですが、さらに今回のDVD学習会のような催しがあると、世界や日本の課題になっていることについて学べて、自分の視野を広げることができます。海外に派遣されたスタッフが帰国した時には、昼食交流会が同時に現地報告会の時間となり、昼食を食べながら現地での活動や体験をうかがい、記録の映像や写真を拝見することも多いです。

第3点は、友達が増えることです。シェアのスタッフさんも、ボランティアの仲間も、皆さん笑顔が素敵で、やさしい方々です。そんな皆さんに会える火曜日、とても楽しい日です。「高齢者」の仲間入りをした私にとって、シェアは新しい友人、よき仲間と出会える素敵な場所であり、人生を豊かに楽しく生きるために大切な場所となっています。

10月はグローバルフェスタや江戸川バザーという大きなイベントがあるので、皆さんと一緒に、自分のできる範囲で、楽しみながら、ボランティア活動に参加していきたいと思います。
             

火曜(通う)ボランティア参加者 田中登志道
2015-10-13 15:31 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年10月05日
3人の会話がとまらない!チームワークで乗り切る在日外国人支援事業部の日常
こんにちは。在日外国人の健康支援事業を担当している山本です。
風邪を引き、今週はじめに声が2日間も出なくなり、仕事にならず大変でした。流行っているようですのでお気をつけください!

本日は、在日外国人支援事業部のスタッフ3人がどのような日々を送っているのか、3つの特徴をご紹介したいと思います。
その前に、3人の簡単な担当業務をお伝えします。
廣野は研究に関する業務を担当、横川は主に結核に関する通訳派遣事業を担当、山本は相談業務やコミュニティ啓発、療養支援、研究調査などと全体統括を担当しています。
私達は、イベントや研修開催、アウトリーチのとき以外は、通常シェアの東京事務局で活動しています。


‥渡辰鳴らない日はない
「シェアの横川と申しますが、保健師の○○様はいらっしゃいますか。ご依頼いただきました□□語の支援員派遣の件で・・・・」と今話し声が聞こえてきます。
横川が出勤している日は、電話の着信音が何度も鳴り響き、電話でのやり取りが止まりません。「横川さん、△△保健所のA保健師さんから電話ですー」と、横川に電話をつなぐ声がたくさん聞かれます。

シェアが協力している東京都の外国人結核患者への治療服薬支援員(通訳)派遣事業では、今年1月からの半年で、通訳派遣が100件を越えるという昨年よりもハイペースで派遣調整を行っています。依頼が多い日は、1日10件近くの派遣調整を同時進行で行うこともあります。
通訳派遣調整には、通訳や担当保健師と、何度も電話で詳細の確認をしあう必要があります。予定が合う通訳を探すためにそれぞれの通訳と電話でやり取りしたり、日程が確定したあとも、保健師と通訳内容の詳細や待ち合わせ場所の確認をします。通訳派遣をしたケースの抱える課題について、どう解決したらよいか保健師から相談が寄せられることもあります。

横川だけではありません。あるときは、「山本さーん、外国人からの相談電話みたい。英語です。」、「山本さん、○×病院のソーシャルワーカーのBさんから電話でーす」と、山本へ電話も入ってきます。医療相談電話対応は長く、ときに1時間近くかかることもあります。

その横で、また電話がなり、横川が出ると「支援員のCです。今××病院での通訳の業務が終わりましたのでご報告です。通訳も特に問題なく終了し、困ったこともありませんでした。」と通訳派遣が無事終了したとの報告電話でした。


▲繊璽爛錙璽で解決にみちびく相談対応
「在留カードに在留資格がどのように表記されているかですか・・・。」と相談電話対応をしている山本の会話を横で聞いていた廣野は、すぐさまインターネットで調べ始め、“こののように表記されているらしいよ”と横から情報提供をしてくれます。「○○クリニックの対応言語ですか・・・。」という話を聞いている横で、またパチパチとキーボードを打ちながら調べ始め、“こうだって”と資料を手元に持ってきてくれることも。なんというすばらしいチームワークでしょう。

相談電話が終わった後は、相談ケース共有をしながら、今後どのようにサポートするか、どのようにアドバイスするか、このケースの課題など自然と議論が始まり、3人とも目を輝かせながらより良い解決策が見つけられるようにアイデアを出し合い話に熱が入ります。ケースワークは私達にとってやりがいを感じられる時間の1つです。


F箸蠍世梁燭ぅ繊璽爛瓮鵐弌
ある日、「私、よくがんばった!やればできる!」と廣野が独り言とは思えない大きな声でつぶやきました。横川が目を丸くして廣野を見つめていました。1日では無理と思っていた会計のデータをエクセルで予定より早くまとめられたときに思わず出た声とのこと。

「○○保健師さんから電話来ないなあ、今日派遣調整できなかったらどうしよう・・・」このような横川のつぶやきも良く聞こえてきます。
「このケースどうしたものかなあ・・・」など私が独り言をつぶやくと、それがきっかけでみんなで解決策を考えることもあります。
時に、突然笑い出す人も。集中しているときに起こりがちで、メール文なのか何かがつぼにはまってしまったのでしょう。

私達の業務ではシビアな問題解決が難しいケースが寄せられることが多く、つらく悲しい内容のときもありますが、時に独り言で和みながら、一人でも多くの外国人の方が抱える問題を解決できて健康に生活できるように、これからも笑顔で取り組んでまいります。



在日外国人支援事業担当
山本 裕子



**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2015-10-05 12:54 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
一歩一歩の歩みが大切 〜タイでの資金獲得活動〜
シェアタイ事務所が、日本のNGOシェアから独立して約3年になります。日本のNGOだった時には、公的援助資金が充実していたことがメリットの一つでした。タイのNGOの場合、国内のNGOを支える公的援助資金が不安定で少額、さらに中進国となったタイからは、国際ドナーが撤退しているという状況で、タイの草の根団体の資金獲得が大きな課題となっています。

 シェアタイ事務所は2012年にHEALTH AND SHARE FOUNDATION(HSF)として、タイの財団法人となりました。HSFの現地法人化後、シェアは2015年までを現地化移行期間として、HSFの組織運営強化をしてきました。現在はHSFが自分たちで事業資金を獲得していけるように、プロポーザル作成強化を行っています。同時に、HSFもタイの文化に合わせて独自の資金獲得活動を行っています。今回は、二つの資金獲得活動を紹介します。

(膓盂萋
まず一つ目は、募金活動です。タイでは、よく「パーパー」と言っています。お寺が主催となり、お布施を通して募金することを、「パーパー」と言います。

去る5月30日に、HSF事務所近くのお寺の協力を得て、お寺の名前を挙げて、エイズプロジェクト実施のための募金活動を行いました。「パーパー」では、お金を木の枝に直接挟みお布施をする習慣もありますが、最近は、活動関係団体・協力者の名前を連ねて、募金のお願いのお手紙を封筒に入れて、関係団体・関係者に封筒を配布し、後日募金を入れた封筒を回収する方法が主流です。今年は5,200通の募金用の封筒を関係団体・個人に送付しました。

募金活動の当日には、共催のお寺のお坊さん7名に、活動の成功祈願をして頂きました。そして前活動地のHIV陽性者自助グループ、前活動地の地域行政関係者、地域の高齢者グループ、昨年スタディツアーを受け入れて下さったホストファミリー、HSF理事などの関係者30名が、集まってくださいました。後日、学校、HIV陽性者自助グループ、高齢者グループ、前活動地の保健関係団体などの64団体、そして多くの個人から募金を入れた封筒を回収し、約30万円の寄付金が集まりました。





∧膓眸∪瀉

 もう一つは、自己資金を獲得するために、一昨年から募金箱を設置しています。特に募金箱設置に力を入れ始めた昨年は93カ所に設置、今年は135カ所に募金箱を設置し、設置個所が増えました。今までは活動地のカフェや個人商店、銀行に留まっていましたが、今年から活動地以外の東北地方の6県の郵便局や県内の農民銀行32支店に募金箱の設置が許可されました。募金箱設置にあたり、募金箱の盗難があったり、募金箱が壊れたりと災難がありましたが、その都度試行錯誤しながら、取り組んでいます。今までの募金の累計は約26万円で、その内2015年の収入は約10万円(7月現在)です。

今年足りない資金としては、200万円だったのですが、なかなかタイで自己資金を獲得するのは、難しいのが現状です。来年以降、シェアとしてはタイ事業を終了するため、シェアからの資金支援はなくなるので、さらにHSFの自己資金が必要とされています。今後HSFは財政的に自立していけるのかという挑戦が続きます。現在HSFスタッフは一丸となって、助成金獲得のための申請書作成や募金活動による資金獲得の努力を地道にしているところです。その他、大きな金額ではありませんが、地域の学校や行政機関での保健授業の講師派遣を行い、資金獲得に繋げることを目指しています。シェアから独立したHSFが、地域の人々の健康のために、意義のある活動を継続して行えるように、今後とも応援をお願いいたします。HSFへの寄付に関して、ご関心のある方は、下記事務局までお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。

問い合わせ先
東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル5F
Tel: 03-5807-7581
Mail: info@share.or.jp (タイ事業担当広本)



タイ事業担当 広本 充恵
2015-10-05 12:52 | 記事へ | タイ日記 |
タイスタディツアー報告(1)〜タイ人の優しさと笑顔にふれて感じたこと〜
8月15日から23日まで、総勢15名でタイスタディツアーに行ってきました。スタディツアー参加者の感想文を、これから2回に分けてご紹介します。

ホームステイをしたり、タイの方たちと触れあい一番感じたことは、やはりタイの人たちはみんな笑顔が素敵で、優しいことです。そして、それはHIV陽性者の方たちも同じでした。このツアーに参加する前は、エイズというと死と繋がっている、怖い、元気がないというイメージでしたが、エイズでもしっかり薬を服用していれば、普通の人と変らない元気な生活を送れるということが実際に陽性者の方と会って分かりました。
9日間、同じような目的を持ったメンバーと異国の地で過ごすのは、毎日充実していて、とてもいい時間でした。このツアーで経験したことは、私にとって大きな宝物になりました。

木村 優里子(歯科衛生士)


タイはHIV予防についての教育が具体的・現実的で、HIV陽性者、エイズ患者を減らそうとする取り組みを学ぶことが出来ました。日本は知識があっても行動力に欠けていると感じました。
ホームステイ先で1日生活して、タイの人は皆優しい笑顔の人が多かったです。自分が、あまり感情表現を普段していないことに気づきました。一番印象に残ったのは、HIV陽性者でエイズを発症した方とお話をしに行った時、何も聞かされなければ患者とは思えなかったことです。良くお話をする方で、すごくエネルギーに溢れていました。病人は病院にいるものであるとどこかで思っていたのだと思いました。色々な話を聞いて、感染症は予防が大切だと改めて思いました。景色が綺麗だった一方で、ゴミやプラスチックや生ゴミなどが道端に捨ててあって、綺麗・清潔・衛生的とはどういう意味なのか考えさせられました。

佐藤 和佳菜(医学部保健衛生学科学生)



今回のスタディツアーは初めての参加でした。初めは楽しみでわくわくした気持ちと、タイでの生活に対する不安が入り混じっていました。HIV陽性者の家庭訪問や学校での健康教育、病院訪問など、SHARE、HSF(前シェアタイ事務所の新財団名HEALTH AND SHARE FOUNDATIONの呼称)の活動に参加できて、とてもいい経験になりました。ヘルスプロモーション活動や病院の体系(県−郡−地区)では、日本と変わらないところや、もっと日本も学ぶべきところを見つけられたと思います。AIDSやHIVの予防に意欲的な国だと活動を見
て感じました。日本では、コンドームなどを性教育で用いることは少ないので、もっと現実的な教育活動をするべきだと思いました。
ホームステイや活動見学など、普段出来ないことを体験できて、これからの大きな糧となると思います。今回関わった全ての人に感謝します。

高畠 茉里奈(看護学生)



私はこのスタディツアーに参加して、またひとつ世界が広がりました。今まで外国にいったことがなかった私は楽しみのほうが大きく、そしてそれを越える楽しさを味わうことが出来ました。
生活面ではホームステイ先での食事や水浴びなど今まで体験したことが無いような生活を体験できました。私は以前から、こういった生活に憧れていたところもあり、全く苦ではなく、最終日には寂しさすら覚えました。ホストファミリーも温かく迎え入れてくれ、何より家族みんなが楽しそうでした。この生活を通して、自然とより密接に関わった生活をする良さを身体を通して学びました。
活動面では活動範囲の中で、効率的に活動を行う難しさを知りました。スタディツアーに参加する前は、「どんどん活動範囲を広げていったら新規感染者も減るのではないか」と思っていましたが、限られた人数・予算で活動する難しさを身体をもって感じました。しかし、何度も訪れることで、信頼関係が築けているので、それが活動のプラスになっていることは学べました。活動に一番大切なことは信頼関係だと気づかされました。

西村 一貴(経済学部学生)




エイズを発症したと聞くと、タイ人の中にも精神疾患を発症する人もいれば、気ままに日々寝て過ごす人もいるのだと分かった。ただ、自助グループに入っていないと、精神を病んだ人たちは立ち直ることなく、気ままに過ごしたい人は治療に行かない可能性が高くなるのだとも分かった。しかし、みんな性行動で口うるさく言われたくないとおもうので、自助グループがセックスやコンドームの話を面白おかしくするからこそ、門戸が広いのだと思った。
厳しく問いつめても、人には理解してもらえなく、また理解できても不安が増加してしまうなら曖昧なままにしておくのが一番であるというような考え方を、明日を仏に任せ、宗教性の高いタイで垣間見た気がしました。
差別は、その対象を身近にしてしまうことでなくなるのだということも、MSMのエイズに関する知識の教育から伺えた。健康な男性同性愛者が性の偏見とエイズの偏見に同時に対処している様子が分かった。また、健康な男性・女性も、性に関する労働に従事する人たちの差別を減らそうとしているのが分かった。

徳田 剛士(医学部学生)



**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-10-05 12:47 | 記事へ | タイ日記 |
2015年09月28日
成功の8割は準備で決まる!? 活動の裏方は粘り強く、忍耐強く。
こんにちは。シェア東ティモールのディリ事務所 プロジェクトマネージャーのロジーニャです。

現在私たちが行っている学校保健活動には、学校保健トレーナーや教師への研修、会議やワークショップの開催、学校保健委員会の生徒たちと学校での保健啓発活動などがあります。それぞれの行事は毎週1回であったり、年に2回であったりと回数はまちまちですが、実はなんといっても時間がかかるのはその活動にこぎつけるまでの「準備や調整」なのです。

「学校保健の活動をして良かった、これから自分たちでもっと進めていこう!」
活動の主役となるトレーナーや教師、子どもたちに、そう思ってもらうために、シェアスタッフは何度も関係者間を行ったり来たりし、資料を準備、修正し、物資を調達し、粘り強く、忍耐強く、活動実施までこぎつけるのです。今日はそういった活動の裏方のお話をしようと思います。

例えば以前にブログでもご紹介したことのある『学校保健県レベルトレーナー対象の学校保健研修』を開催する場合。 
大まかに以下のような調整をして進めていきます。

1)まずは教育省と保健省の学校保健担当官と研修について打合せします。大まかなスケジュールや場所、トピックなどについて、合意を形成します。
2)その後、両省それぞれの研修を統括する機関へ足を運び、研修内容の確認をし、日付、場所、プログラムなどについて承認を得なくてはなりません。
3)それから、研修の講師を担当する教育省や保健省の職員である、国レベルの学校保健トレーナーに連絡を取り、日程調整や発表資料の準備のお願いをします。国レベルトレーナーから講義資料を共有してもらった後、時間が許す限り研修の事前にシェアが内容を確認し、より正確でわかりやすい内容へ修正依頼なども行います。
4)受講者である県レベルトレーナーにも連絡を取り、決まった日付で参加が見込めるかどうか確認を取ります。参加人数が少なそうであれば、また両省と日付について決め直します。
その他、研修で使うノートや模造紙などの買い出しや準備も忘れずに行います。

これらの調整には、目に見えない、いろいろな困難があります。
電話が繋がらない、相手の仕事場に直接行っても出勤していない(休暇だったり病気だったり、出張していたりサボっていたり・・・)、面会の約束をドタキャンされる、などは日常茶飯事です。そして相手も相手で、いろいろ仕事がありますから、シェアとの学校保健活動に多くの時間を裂くこともできません。
そんなこんなで、研修実施1ヶ月半くらい前から早目に準備や調整を始めます。何度も電話をかけたり、省庁へ足を運ぶこともしばしば。前日ぎりぎりまで、招待状を配ったり、受講者が参加できるかなどの確認に追われ、当日を迎えるのです。

そして当日も実に様々な理由で、不参加となる方や遅刻する方がいます。
悪天候で離島から首都に来るボートが出なくなった、会場への道に迷ってしまった、通行止め、急病、突然別の研修や用事が入った、そもそも間に合うようには家を出ていない、などなど。よって、そもそも8時半に開始を予定していた活動が10時開始となったりするわけですが、そうしたハプニングも見越した上でプログラムを作ったり、午後のプログラムでなんとか時間調整をしたりして、こうした研修や活動を行っています。
 でもこういった細かな調整をしてきたおかげで、活動の成果も出てきています。各活動の参加率は軒並み目標値を達成し、活動を共にした人たちの間で学校保健活動を進める意欲が高まるなど、教育省や保健省からも信頼を得られていると自負しています。

 東ティモール政府は、全国の学校で継続的に保健教育が行われることを目指しています。シェアはその推進をお手伝いしています。
本来、研修の実施を担う教育省や保健省の職員が、関係者との様々な調整や準備をして良い研修を開催していけるようになるのが、これからの私たちのチャレンジです。

東ティモール事務所 ロジーニャ



**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2015-09-28 15:15 | 記事へ | 東ティモール日記 |
2015年09月24日
タイ古式マッサージ&国際協力トークチャリティイベントのご報告〜お寺でチャレンジ〜
こんにちは。タイ事業担当の広本です。
9月6日に「お寺でチャレンジ タイ古式マッサージ&国際協力トーク」のチャリティイベントを実施しました。3年ぶりに実施したお寺でのタイ古式マッサージのワークショップは、今回も大好評でした。そして、マッサージの後はタイの伝統医療の活用とタイでの活動を紹介し、マッサージと国際協力について同時に楽しめる機会となりました。本稿では当日のイベントについて報告します。

イベントはアーユス仏教国際協力ネットワークさんの紹介で、台東区入谷にある英信寺さんで行いました。お寺の雰囲気は大変落着き、会場は畳部屋だったため、タイマッサージには最適でした。

【第一部】身近な人に喜んでもらう タイマッサージ

「マッサージを家に帰って父親にしたら、翌日父親から『よく眠れた』と言われました」とマッサージを家で実践された参加者から報告がありました!

イベントでは、今年で16周年の元祖タイ古式マッサージ店「ヌワボーランチャイ」の六本木店長、川島砂海さんを講師に招き、タイマッサージを教えて頂きました。川島さん曰く、タイマッサージのいいところは、「効果が長続きし、定期的に受けると体が変わっていくのを実感できること」だそうです。

マッサージのワークショップでは、2人一組となり、マッサージを施す側と受ける側になり、実際にマッサージの仕方を学び、実践して頂きました。マッサージは2人の体位を正しく組み合わせると、自然とテコの原理のように、凝っている体に効きます。マッサージの時に思わず力んでしまったり、呼吸を止めたりしまいがちですが、マッサージをする側も受ける側も、呼吸を止めずに力を入れないことが大切だそうです。特に、マッサージ師は歌に乗るように、リズムに乗ってするとよいそうです。ある参加者の心の歌はなんと「はとぽっぽ」だったそうです。

マッサージワークショップの雰囲気はよく、ご参加者からも笑顔が見られ、心も体も癒されました。



【第二部】国際協力トーク

今回はタイマッサージに因んで、タイの公立病院での伝統医療の話もしました。タイの郡病院、そして村レベルの病院(旧ヘルスセンター)では、タイマッサージ、薬草サウナ、薬草による治療が、医師の処方の下、代替医療として取り入れられています。そしてタイの医療は一律30バーツ(約100円)で受けられる「30バーツ医療政策」があり、魅力的です(基礎治療のみ)。

シェアはタイ東北部ウボンラーチャターニー県で、HIV陽性者の健康支援活動を行っていますが、タイマッサージや薬草についての題材を取り上げることもあります。シェアの前活動地のHIV陽性者自助グループが、とてもよい活動をしているということで、以前、現活動地のHIV陽性者グループメンバーと共にスタディツアーを実施しました。その時に、薬草栽培をしていたHIV陽性者メンバーから、免疫力を高めるという薬草を分けて頂きました。その後、その一つの鉢から立派に繁殖させて、元気に過ごしているHIV陽性者メンバーも出てきたほどです。

また、タイは現地法人化し、現在タイ人により事業を運営しています。ゆくゆくは、タイ人スタッフではなくて、活動対象者が自ら健康を改善できるように、リーダーを育成しながら、活動を実施しています。シェアのタイ事業は12月に終了しますが、タイ人によるエイズ事業は今後も継続していく予定です。是非ご協力の程、よろしくお願いいたします。

【タイ古式マッサージ&国際協力トークチャリティイベント協力団体】
株式会社Chai ReC ヌワボーラン「チャイ」六本木店
(特活)アーユス仏教国際協力団体
NGO‐労働組合国際協働フォーラム HIV/エイズ等感染症グループ

協力団体の皆さま、ご参加者の皆さま、チャリティイベントにご参加・ご協力をありがとうございました。イベントの収益は、タイ事業に充てさせて頂きます。

広本充恵

タイ事業担当 広本 充恵


**応援よろしくお願いいたします**
タイへの募金はこちらから
2015-09-24 15:15 | 記事へ | タイ日記 |
第3回シェア火曜(通う)ボランティア有志の集い開催報告
国立国際医療研究センター仲佐保さん「身に迫る感染症について、世界の感染症から学ぶ」


気さくな優しさが伝わる仲佐さん
8月29日土曜日に、シェア事務所で、17名の参加で、上記の催しを開催しました。仲佐保さん(国立国際医療研究センター勤務 シェア理事)にはミャンマーへの出張から帰国したばかりでご多忙のところ、快く講師を引き受けて下さり、ありがとうございました。
仲佐さんは1982年に現理事長の本田徹さんと一緒にNPO法人シェアを立ち上げ、現在まで一貫して国際医療の道を歩んでこられました。この間、約20回の開発途上国への派遣を経験され、訪れた国々は延べ約40カ国に上ります。
お目に掛かった最初の時から、明るくて気さくな優しさがふんわりと伝わってきて、その場の空気が柔らかく暖かくなりました。この素敵なお人柄で、自然的にも社会的にも過酷な環境の国々で出会った多くの方々と、心温まる交流を重ねてこられたのですね。ご自身はお医者さんなのですが、「『先生』と呼ぶのはやめてください。お互いに『さん』と呼び合うのがいいですよ」とおっしゃいました。どなたとも同じ目の高さで接することを大事にされてきたことがよくわかりました。

感染症は科学や医療のみで解決する課題ではない
参加者が楽しみながら学べるように、クイズ形式を取り入れながら、海外でご自分が罹患したり、周囲で発生したりした病気(感染症とは限りません)について話して下さいました。マラリア・デング熱・サナダ虫などの人体寄生虫・肝炎・黄熱病・狂犬病・シャーガス病・高山病・旅行者下痢症(パキ腹など)・腸チフス・パラチフス・エイズ・エボラ出血熱など、私たちが海外で罹患するかもしれない多くの病気を取り上げられました。
その中でも特にエボラ出血熱については、なぜ感染の拡大を防げなかったのか、という重要な問題について、病気の特徴、地理的条件、歴史的経緯、文化的状況、国際関係的要因、関係する組織の問題など、多角的な視点からわかりやすく説明して下さいました。
世界の感染症の問題は、科学や医療に関わる問題であると同時に、その国や地域が直面せざるを得なかった国際的、歴史的な背景があり、またそれが原因で生じた社会的歪みや解決すべき課題もあり、そしてその解決に関与すべき国際的・国内的組織の関係及び関わる人たちの人間性の問題でもあることを、仲佐さんのお話で知ることができました。究極的には、やはり、「人間」という問題が重要なのですね。

人生を豊か生きる
そして、海外で一番気をつけなければいけないのは「交通事故」であるということを強調して講義を締めくくられました。もちろん疾病・感染症は重要な問題ですが、実はそれ以上の人たちが海外で交通事故で重傷を負ったり命を落としたりしています。日本とは交通事情もマナーも違うので、交通の安全には特に気をつけてほしいということでした。
質疑応答の時に参加者から、「30数年にわたって国際医療支援に携わってこられた原動力は何ですか」というような質問がありました。仲佐さんは、「国際協力への使命感があるからでしょう、と言われることがありますが、ちょっと違う気がします。使命感では長く続かないと思います。」という意味のことをおっしゃいました。「使命感」には肩に力が掛かって気負い立ったイメージがありますが、長く続けるためには、もっと自然に、その取り組みによって生きることを楽しむ、人生を豊かに生きることが秘訣だと言いたかったのではないかと思いました。
仲佐さんが国際医療支援の仕事を楽しみながら、人生を豊かに生きておられることを感じました。第1回の本田さん、第2回の山下さんに引き続き、今回もまた、仲佐さんから、広範な知識だけでなく、豊かで自然で優しい人生の生き方まで学ばせていただきました。ありがとうございました。


火曜(通う)ボランティア 田中登志道
2015-09-24 13:42 | 記事へ | 東京事務局日記 |
カンボジアスタディツアーご報告ー
「現地を感じる」「まっすぐな瞳のお母さんたちとの出会い」「一年での変化は?」



8月22日から29日まで、今年も個性あふれる12名の方に参加いただき、毎夏恒例のシェアカンボジアツアーを実施しました!

今日は、参加者のアンケートから、3人の方の感想をご紹介します。




「大学一年生の時期にこのツアーに参加したことを本当に良かったと感じています。参加にあたっての自分の目標は、「現地を感じること」でした。しかし、実際にツアーを終えて振り返ると当初の目標はもちろんのこと、参加者の皆さんや、shareスタッフの方々から想像以上にたくさんのことを学ばせていただきました。

私がこのツアーを通して一番学んだことは「将来の生き方や夢の実現に向けてのヒント」です。参加者の方の中には、既に社会人として働いている方や、大学四年生の方がいらっしゃったので、話をさせていただく中で、自分の将来についてたくさんのヒントをいただきました。「時間があるうちに自分のやりたいことをしておいたほうが良いよ。」ある参加者の方から言われたこの言葉をこれから大事にしていきます。

今回、参加者の皆さんから刺激をたくさん貰いました。私も参加者の皆さんのように周りの人に刺激を与えることができるようになれればと考えています。
最後に安全な旅を支えてくださったshareの皆さん・カンボジアスタッフの方々、ツアーの参加者の皆さん、本当にありがとうございました!

花田 拓海(大学生、法学部)」


「活動現場をみることができ、現場でShareが信頼されている一番の理由は、各立場で働く人をfacilitateし、人と人を繋いで、本人たちが問題発見・解決をしていくことをサポートする工程を重ねて、本人たちをempowerしているためだと感じました。保健ボランティアの笑顔が特にそれを物語っていると思いました。

一番嬉しい機会は、村のお母さんたちとの交流で、情報や支援を大事な学びの機会と捉え、子のためにまっすぐな瞳をもつ女性たちに、深い尊敬の思いを持ちました。一方で、乳児すら置いてタイに出稼ぎをせざるを得ない家族がある等、保健分野だけで解決できない課題や、ポルポト政権の残した人の信頼関係や教育についての深い傷も感じずにはいられませんでした。

それでも、出会った方々を通して、人の生活をよりよくしていくのは、具体的な一人一人であることを強く認識させられ、希望を感じ、私自身もempowerされました。深く感謝いたします。

本郷愛実(大学生、医学部)」

「昨年初めてカンボジアのツアーに参加し、最初は「ご飯が美味しいから」という理由で今年も参加しました。しかし、昨年に引き続き今年も参加したことで、プロジェクトの進行や対象者の行動変容の比較ができ、また自分自身の視線も昨年と違っていたことが今年、参加したことの大きな学びです。

1年でどんなことが変化しているのだろうかという疑問は当初はあまり考えてはいませんでした。しかし、離乳食教室では、昨年とは方法を変えて対象の母親に教育していたり、離乳食について学んだことを家でも実践しようとしている母親が増えていたことに驚きました。少しずつではあるけれど、着実にカンボジアの母親たちの意識は変わっているのだと思いました。一方で、乳幼児健診では、レッドゾーンの重度の低体重児がいたことも事実です。実際に母親の話を聞くことで、未だに収入面の問題や家族構成、生活状況という背景から低体重児が存在しており、これらの問題は今すぐには変えることができないということが現実問題なのだと思いました。

今年は現地化を成し遂げたタイツアーに参加し、現地化についてタイ人スタッフが感じる困難なことを聞いた後でカンボジアツアーに参加しました。現地化を考えたときに、ただ現場での技術向上が出来ていれば現地化ができるという評価にはならず、現地スタッフだけで組織としての運営ができなければ、現地化は困難であるということを学びました。

ツアー最後のまとめの際に、「技術指導を行っているNGOはたくさんあるが、シェアは撤退を考え、現場での技術指導だけではなく、運営やマネジメント、協力機関との関係強化という点まで支援を行っているNGOである」と話されており、昨年とは違った視点でカンボジアプロジェクトを捉えられたように思います。

中村美紀子(看護師、シェアインターン)」




**応援よろしくお願いいたします**
カンボジアへの募金はこちらから
2015-09-24 13:35 | 記事へ | カンボジア日記 |
2015年09月14日
「当事者の視点に立って考える、誰もが健康に暮らせる社会とは」
在日外国人の健康を学ぶ
こんにちは。在日外国人支援事業アシスタントの横川です。シェアに来て、1年半が過ぎました。皆さんはNHKの「ドキュメント72時間」を見たことはありますか。毎回違う場所に72時間カメラを据え置き、そこに行きかう多様な人たちを映す番組です。ある時は病院の中のコンビニ、またある時は24時間のガソリンスタンドなど。私の心に残る放送は、「当事者としての視点」を考えさせてくれる、沖縄のドライブインでの72時間です。お時間ある方はぜひ。

さて、前置きが長くなりましたが、9月5日に「在日外国人の健康について考える学生向け勉強会」を開催しました。今年は健康相談会ボランティアとして参加してくれている学生さんを対象に行いました。参加者は5名で、私たちスタッフとも顔なじみのある学生さん達でした。

この勉強会のすごいところは、参加した学生さんひとりひとりが、在日外国人の「当事者としての視点」で健康問題を考えられるように仮想体験型ワークが取り入れられている点です。

当事者になりきる体験ワーク
まず、参加者ひとりひとりに外国人名が与えられます。その人になりきり、日本に入国する時から細かく設定された、10場面(空港、家族、体調の変化など)を1場面ずつ読み解いていきます。それぞれの場面には、在留資格、健康保険未加入の問題が出てきたり、思わぬアクシデントが起こるようになっています。
この仮想体験型ワークには、手持ちのお金のやり取りも組み込まれています。
「子どものころから機械に興味があり、親戚から2万ルビー(架空の通貨)を借りて、専門学校へ(−2万ルビー)。」
「日本の工場が研修生を募集。登録料や出国前研修にお金を5万ルビー支払う(−7万ルビー)。」
など。これこそまさに、在日外国人版「人生ゲーム」。お金の問題も加わり、さらに当事者として深刻に考えさせられます。

参加者は、自分がなりきった「外国人」がかかえる山積みとなった問題を整理し、他の人と情報を共有します。そして、問題の解決策をグループで話し合い発表していきます。皆が一生懸命考えてくれた解決策が行き詰まると、シェア副代表の沢田から、より良い解決案がみつかるヒントを出してくれます。
「子どもの権利条約」
「児童福祉法:入院助産制度」
「母子保健法:未熟児に対する養育医療の給付」
「在留特別許可に係るガイドライン」
「未払医療費補てん事業」
などなど。以上のような法律や条例、国際的な条約で守られていることで、在日外国人の方たちが日本において健康で安心した生活を送っていくための解決策を導いていけることに気づきます。


多様な人々が、当事者の視点で解決策を考えれば・・・
勉強会が終わり、参加者の学生さんからは以下のような感想をもらいました。
「個々の事例のリアリティーが大変印象にのこった。」
「実際の社会資源を考えてみることで、彼らへの支援には知識があれば行える支援もあり、もっと勉強しようと思った。」   
「実際に自分が在日外国人の立場になってみることで、何に困っているのかが明確になった。」

次の時代を担っていく学生の皆さんと共に一緒に考えることで、在日外国人の問題解決の糸口に光が差し込んでくる感じがしました。一人では解決できそうもない問題でも、世代を超え、性別を超え、人種を超えて共に考えていく事でより当事者の視点で解決策を考えられる気がします。次回は是非、参加されなかった皆さんと共に、誰もが健康に暮らせる権利について考えられる機会を持てたらと思います。

さらに詳しくワークショップの内容をお知りになりたい方は、これから皆さんのお手元に届くシェアライフVol.10に特集されていますので、是非読んでみて下さい。


在日外国人支援事業アシスタント
横川 峰子



**応援よろしくお願いいたします**

在日外国人支援への募金はこちらから
2015-09-14 14:45 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
2015年08月31日
相談者が安心して想いを伝えられるのは、通訳ボランティアの支えあってこそ!
こんにちは。在日外国人の健康支援事業を担当している山本です。

私たちは、自治体や外国人支援NGO、教会、外国人コミュニティなどと連携して「在日外国人のための無料出張健康相談会」を20年以上開催しています。東京・千葉・神奈川の約9か所で開催し、2014年は36カ国308人の方が相談会に訪れました。

多くの外国人は、日本で体調を壊してもすぐに病院にかかることができない様々な理由を抱えています。
収入が少ない上に母国に仕送りしていて医療費に充てるお金がない、健康保険に入ることができない、どこの病院に行ったらいいのか分からない、相談できる人がいない・・・。そして何よりも「言葉が通じない」という最大の理由で、受診が遠のいてしまいます。ある程度日本語が話せても医療用語や症状を訴えることは難しいですし、病院の表示が読めない、問診票が読めない、日本語が書けない、など高いハードルが病院にはあります。

シェアが続けてきた健康相談会には、通訳ボランティア、そして長年外国人支援にかかわり外国人対応に慣れているボランティアが多く関わっているため、相談者が自分の言葉で、自分のペースでじっくり相談することができます。

8月に板橋区で実施した健康相談会には、当会からフランス語1名、ネパール語1名、ミャンマー語2名、中国語1名、共催団体であり板橋区で外国人支援を行っているNGO「APFS(Asian People’s Friendship Society」からタガログ語1名、ベンガル語1名、英語1名の通訳ボランティアが参加しました。
今回は30名を越える相談者が訪れ、ミャンマー人とネパール人がその多くを占めました。そうなると、この2言語の通訳さんは、休む暇なく、問診や受付、歯科相談、医科相談等々、何人かの通訳支援が必要な相談者がいる場所を行ったり来たりして通訳をしてくれていました。お昼休憩も、通訳がひと段落して次の相談者がいないと判断した隙間にとってもらいました。
 
事前に、開催地域によって相談者の国籍と言語を予想して準備しているのですが、予想に反して想定言語の相談者が全然いらっしゃらないこともあります。
活躍の場がなかった通訳さんたちは、写真のように受付担当ボランティア達と一緒に受付を手伝ってくれていました。

また、「通訳が必要ですか」と通訳さん自ら声をかけても、日本語がある程度できる方で「通訳は要りません」と断られてしまい、残念に思う場面もあります。
通訳さんは休みを返上して手伝ってくれていますので、時にお子さん同伴でいらっしゃいます。今回は、通訳さんのお子さん同士が仲良くなってお母さんたちそっちのけで遊びまわっている姿も見ることができ、笑顔が絶えない温かな相談会となりました。


在日外国人支援事業担当
山本 裕子
2015-08-31 12:53 | 記事へ | 在日外国人支援日記 |
秋と言えば、江戸川バザー!今年も30万円目指します!
支援者サービス担当の青木です。

ようやく涼しい風が窓を通り抜けるようになり、秋の訪れを感じます。そして、この季節がやってくると事務局始まるのは、「江戸川バザー」の準備。

シェアの中で通称「江戸川バザー」と呼ばれているイベントは、江戸川区の区民まつりのバザーコーナーのこと。毎年50万人が訪れるという一大イベントです。

昨年も、このおまつりにバザー出店をし、みなさんのおかげで、江戸川バザー目標30万円達成しました!(ブログをご覧下さい



30万円でできること!

日本では、言葉が通じない在日外国人の健康支援として、医療通訳を30回派遣することができます!

東ティモールでは、約130人の先生たちが3日間の保健教育トレーニングに参加し、小学校で保健教育を推進することができます

カンボジアでは、村々で乳幼児健診が75回も開催することができ、多くの乳幼児の健康を守ることができます!



今年も、30万円以上の売上げを目指して、スタッフ一同頑張りたいと思います!そこで、みなさまに2つのお願いです。

1.売れるバザー品をご提供ください

まずは、30万円売り上げるためのバザー品が必要です。新品のタオルや未使用の洗剤、油、乾麺、ビールなどの飲食料などが売れ筋です。涼しくなってきましたので、断捨離&国際協力はいかがですか。

※バザー品の詳細はこちら

【送付先】110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル5階 シェア フリマ実行委員会

※ご持参いただく方は、事前にご連絡いただけますようお願いします。

2.当日のボランティアをお願いします!

<朝だけボランティア 2名>

朝6時から7時まで、上野の事務所で荷物の搬入のお手伝いをしてくれるボランティアさんを2名募集しています!

【応募方法】件名を「江戸川バザー朝だけボランティア」として、氏名、連絡先を、info☆share.or.jp(担当:青木)までご連絡ください。(☆を@に変えてください)

<元気な売り子さん 10名>

元気に笑顔で接客できる売り子さん。特に値切り交渉上手なお客様たちと、楽しくコミュニケーションができる売り子さん10名を募集しています!

【応募方法】詳細はこちら(ボランティア情報ページ


今年も、売上げ30万円目指して、事務局一同頑張りますので、よろしくお願いします!


支援者サービス担当 青木美由紀


**応援よろしくお願いいたします**
募金はこちらから
2015-08-31 12:52 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年08月24日
「名前を聞いたことある国」から「行ってみたい国」につなげたい。
東ティモール活動報告会

「たまたま前日にぽっかりと用事が空き、面白そうなイベントを探していたら、こちらを見つけて参加してみました。」
 先週、お盆休みの真っただ中の8月13日に東ティモール活動報告会を開催しました。参加理由を皆さんに尋ねたところ、シェアのイベント自体にも初参加だった方がこう答えてくれました。今年4月に行った東ティモールイベントから連続して参加して下さっている方もおり「東ティモールという国をシェアのイベントで初めて知って興味を持った」と話してくれました。東京では日夜、各所で多様なイベントが行われています。そんな中でいろんなきっかけで「ちょっと行ってみようかな」「また行ってみようかな」とシェアのイベントにわざわざ足を運んでくださった参加者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
実際に東ティモールに行くのは、ハードルが高いと思いますが、こうしたイベントを通じてニュースなどで「名前くらいは聞いたことがある国」というところからもう一歩身近に感じ、もっと知りたくなる、応援したくなる機会にできればと思っています。

 報告会では前半に中山から学校保健活動の成果や課題、また現地代表としての仕事について、後半には参加者の方々との質疑応答など、東ティモールコーヒーを飲みながら交流する和やかな時間となりました。今年で駐在5年目となる中山からは、2007年から行っているシェア東ティモールの学校保健支援活動の成果や課題、また現場での様々な変化についても話がありました。
東ティモールでの仕事での喜びの一つは「一緒に働くシェア東ティモール人スタッフの成長」。こちらがあれこれ言わなくても、自分たちで活動の計画や振り返りをしっかりやれるようになってきたり、時には週末でもいとわず学校に行き、学校保健が広まっていくよう取り組むスタッフの姿は、東ティモールで長年働くやりがいにもつながっているようです。

 私も毎年2〜3回現地に出張していますが、今年前半の出張でも東ティモールで行ってきた支援活動の意義や支援の成果を実感してきました。シェアが2000年から15年にわたる支援活動の中で、多くの人々と関りを持ってきたエルメラ県では「この人がいなかったら、シェアの活動を始められなかった」とか、長年の支援の結果「最初は研修参加者だけだったのが、今はみんなをひっぱるリーダー役」だったり、「山奥の学校にも足を運び、学校の保健活動をサポートしているトレーナー」など活躍している人々がたくさんいます。

 今回少しだけご紹介したいのは、シコさん(愛称)ことフランシスコさんです。シェアとは15年の付き合いがあります。独立前インドネシアによって病院などが焼き払われた混乱期に、シェアが初めて農村地域であるエルメラ県で、なんとか長期的な地域保健活動をやっていこうという時に、いろいろと手を貸してくれたのが保健センターに勤めるシコさんでした。シコさん無くして、今のシェア東ティモールの活動はなかったとも聞きます。シェア東ティモール初期の活動の話では何度となく名前を耳にしており、写真では見たことがあったのですが、今年6月に行われた学校保健研修の場で、学校保健トレーナーとして活躍するシコさんに思いがけず初めてお会いすることができました。実際にお会いした印象は、「なんだかとっても頼もしくてあったかいひと!」
東ティモールの人にしては、とても背が高くがっちりとした体に人懐っこい笑顔で、一目会っただけでまるで旧友のようなオーラを持った人でした。シェアが活動を始めたばかりの頃にいろいろとお世話になったということが想像できる雰囲気を持っていました。

 シコさんは看護師として保健センターで治療などを行う一方、シェアが研修を支援している学校保健トレーナーとして、教師への学校保健研修の講師などを務めて学校の保健活動を支えています。6月にはシコさんが学校保健研修の場で子どもたちに保健教育を教えているところを見学しました。同級生の前で保健教育をする子どもたちを、ユーモアを交えながら励まし、教えていました。
 そんないつも笑顔で冗談好きの明るいシコさんですが、独立闘争時には命がけで地下活動をして独立に向けた戦いを支えた時代がありました。昔から地域住民からの信頼も厚く、今では長老的な存在でもあるそうです。こうした人がシェアを受け入れ共に活動してくれるからこそ、私たちは地域でいろいろな方々とつながりを持って長年活動することができているのだと、教壇に立つシコさんを見ながら考えていました。

 今年はシェアがエルメラ県での活動を開始してから15年の節目となりました。次回の出張時にはシェアが支援を始めた頃から現在までのご自身の変化や地域住民の健康改善のことなどを詳しくシコさんにインタビューして、またブログなどに掲載したり、イベントでご紹介したり「こんな人たちがいるすてきな国」ということをもっとお伝えできればと思っています。

 さて、今週末の8月23日(日)には、東ティモールを5感で知ってつながるイベント『一日限りの東ティモールカフェ』を行います。JAZZ生演奏やシェアの保健教育劇を見たり聞いたりしながら、東ティモール料理を味わっていただく珍しいイベントです。まだ参加申し込みを受け付けていますので、ぜひお待ちしています。

イベントの詳細やお申込みはこちらから。



東ティモール事業担当 吉森悠
**応援よろしくお願いいたします**
東ティモールへの募金はこちらから
2015-08-24 12:58 | 記事へ | 東ティモール日記 |
訪問看護ステーションコスモス代表山下眞実子さんを囲んで
−第2回シェア火曜(通う)ボランティア有志の集い開催報告−



気さくな人柄の訪問看護ステーションコスモス代表山下さん

7月25日土曜日に、シェア事務所で、13名の参加で、上記の催しを開催しました。忘れることのできない充実した講演でした。ここでは一参加者として感じたことをお伝えしたいと思います。
山下さんは、気さくで、自然体で、率直で、優しい人でした。こんなに素晴らしいことを実践されてきた人なのに、全く気取りがなく、初対面の私も全然緊張せずに打ち解けてお話をさせていただきました。
山下さんが山谷地区に「訪問看護ステーションコスモス」を創設されたのは、西暦2000年でした。医療看護が行き渡らない山谷にこそ看護が必要!!という熱い思いに促されて、立ちはだかる諸問題をクリアーしながら、まさにゼロからの出発でした。


続きを読む
2015-08-24 12:55 | 記事へ | 東京事務局日記 |
2015年08月10日
母子感染し、HIVと共に生きる少女「プン」ちゃんからの手紙
HIVと共に生きる少女プンちゃん
私の名前はプン(仮名)です。今18歳です。私には父親が違う16歳と9歳の妹が2人います。3姉妹は現在伯母夫婦に面倒をみてもらっていますが、伯母家族とは住んでいる母屋は別々で、食事も別々なので、3姉妹で暮らしています。伯母は食事を持ってきてくれますが、毎日一緒に食事はしていません。伯母夫婦は農家で、幼い息子がいます。一番下の妹と私は、母子感染でHIVに感染しています。私が10歳の時、母親がエイズで亡くなったのを覚えています。私の本当の父親は私が2歳の時にエイズで亡くなったそうです。家族がエイズで亡くなったので、村の人々は私がHIVに感染していることを知っています。村の中にはエイズに対する差別がひどく、私は学校で勉強することができなくなりました。学校へ歩いて通うことすらできなくなりました。それで、私の家族のことを誰も知らない伯母のいる村に引っ越し、他の学校に通うようになりました。私は現在親友にでさえ、自分がHIVであることを伝えていません。友だちから両親が死んだ理由を聞かれる度に、私は胸が痛みます。


HIVと共に生きる妹のパーンちゃん
私の末の妹の名前はパーン(仮名)です。彼女は小さい時にエイズを発症しました。彼女は自分の病気がいかに苦しくて大変だったかは覚えていませんが、私は母親と妹の苦しみを見てきたので、覚えています。彼女は現在抗HIV薬を服薬していますが、エイズついてはよく分かっていません。彼女は毎日決まった時間に飲まなければならない薬があること、定期的に小児科医のいる県病院に通院しないといけないことしか知りません。いつか彼女は自分がHIVに感染していることを知ることになると思います。


薬は嫌い
私は服薬が好きではありません。それは母親と妹からのトラウマがあるからかもしれません。でも、自分の体の健康のために、服薬をした方がよいこともよく分かっています。今年6月に私は医師の処方の下、抗HIV薬服薬を始めました。それは本当に最悪な体験でした。なぜなら薬の副作用で発疹が出たからです。それから私は服薬が怖くなり、周りの人の視線が気になりました。何か私が間違ったことをしているというような視線を感じました。私は医師に服薬治療を止めるようにお願いし、自ら健康管理をすることを約束しました。


シェアとの出会い
シェアとの出会いは、2008年に末の妹がエイズを発症し県病院で治療し、村からの差別を受けていた時です。翌年から、私はシェアが行っているHIV/エイズに影響を受けている子どもグループの活動に参加するようになりました。そこで、50人ぐらいの子どもたちと一緒に健康を維持するための知識、HIV予防、性教育について学びました。一昨年からは、10人ぐらいのHIVに感染した子どもに限定した活動になり、その活動にも参加してきました。グループの名前は「パンパン」と名付けました。意味は「シェア(分かち合う)、シェア(分かち合う)」です。私たちは人々と分かち合うことによって、強くならなければなりません。私たちが心身共に強くなれば、他人とも分かち合うことができます。グループの活動では、私たちは夢や希望、10代の恋愛、服薬治療や健康を維持する方法について、話し合っています。


夢と現実への戸惑い
私にはたくさんの夢があります。私は将来、薬剤師、看護師、警察官のどれかになりたいと思っています。友人たちは教師、ダンサー、獣医になりたいと言っています。将来何になりたいか未だ分からない人も中にはいましたが、皆将来よい人生を送りたいと思っています。私たちはいい仕事に就いて、今まで私たちを育ててくれた家族を養っていきたいと思っています。

でもHIVと共に生きている私たちは、夢を叶えることが容易にできません。私は時々自分の人生にがっかりすることがあります。世界は平等ではありません。私はHIVに感染して生まれて、貧しい家庭で育ってきました。私には大学で勉強する機会がありません。しかし、私は人生に希望を抱いていて、諦めたくありませんでした。私は休日にレストランでアルバイトをして、大学の入学試験に必要なお金を稼ぎました。私は2カ所の大学から合格通知をもらいました。しかし私は大学進学の夢を諦めなければならなくなりました。何故なら大学進学に必要なお金が十分ないからです。貧しい家族も私に支払えるお金はありません。

希望を与えてくれた子どもグループの活動に感謝
私が大学進学を希望するようになったのも、シェアの子どもグループの活動に参加したからです。グループの活動では、同じ立場にある友達と一緒に自分の夢を考えるようになり、希望を与えてくれました。今まで子どもグループの活動を支援して下さったタイ国日本人会、HEALTH AND SHARE FOUDNATION(HSF:前タイ事務所)、シェアには感謝の気持ちでいっぱいです。将来奨学金がもらえたら、私は全力を尽くして頑張ろうと思います。私はもっと勉強して成長し、よりよい人生を送りたいと思っています。
                                        プンより

------------------------------------------------------------
奨学金ご寄付のお願い
プンちゃんの学費は政府の貸与奨学金を活用する予定ですが、学費以外に係る図書代、教材費、制服代は個人で支払わなければなりません。またプンちゃんは農村地域にいるため、大学の寮に入って暮らさなければならなく、生活費もかかってきます。プンちゃんの進学を支援するためには4年間で約60万円必要です。プンちゃん以外にも「パンパン」グループには進学を希望している子どもがいます。4年間安心して大学で勉強ができるように、現在HSFでは奨学金の寄付を募集しています。寄付をご検討して下さる方は、お気軽にシェアのタイ事業担当広本までお問い合わせ下さい。HSFへのご寄付お支払方法について、改めてご案内いたします。ご協力の程、どうぞよろしくお願いいたします。


問い合わせ先
東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル5F
Tel: 03-5807-7581
Mail: info@share.or.jp (タイ事業担当広本)
2015-08-10 13:09 | 記事へ | タイ日記 |
Dr.本田徹のひとりごと(59)
アジア旅行者のための感染症対策(改訂版) 連合出版刊
−知恵と備えある旅行者を目指して− 




この本の初版は2003年に出されていますが、その後10年以上を経て、デング熱の日本への上陸や、エボラ・ウイルス病やMERS(中東呼吸器症候群)の西アフリカや中東、韓国での流行など、近年人びとの耳目を驚かす感染症のビッグニュースが、次々と伝えられました。ボーダレス世界における感染症の新しい現実と知識を、旅行者や一般市民のために分かりやすい読み物として提供し、よりよい備えをしていただいた上で、旅行先の国々の食や異文化や人との交わりを十全に楽しんでいただくため、手引書として、この本の改訂版を作りました。

1970年代以降に起きた、30以上ともいわれる、HIV、SARS、MERS、鳥インフルエンザなどの新興感染症には、1)地球温暖化、2)Habitat(生息環境)の破壊と、人間社会による野生動物の社会への侵食、そして、3)大量航空機輸送による感染症患者や媒介生物の急速な移動・越境などが背景にあると考えられます。パンドラの箱を開けたのは人間であり、その意味で人類に課せられた、解決への責任は重いと言わなければなりません。

この本の各章を執筆してくれたのは、研究者であったり、臨床家であったり、NGOの活動家であったりする医師たちです。皆が自分自身、感染症患者として苦しんだ体験、また目の前で、子どもたちが感染症のために命を落とすのを見ざるを得なかったつらい経験などをもち、そのことがこの本に、ある種のリアリティを持たせていると思います。

私自身、本書の読者として、共同編者でもあり、日本でも指折りのマラリア学者、大阪市大教授の金子明さんの執筆になる、マラリアの章とあとがきを、出色の読み物として深く味わいました。

金子さんは毎年のように、南西太平洋の島ヴァヌアツにマラリアのフィールド調査を敢行していますが、なぜ彼にとって、マラリアというライフワークの拠点がヴァヌアツなのか、この本を読むとよく理解できます。アフリカ大陸からユーラシア大陸へと巨大な東漸をしてきた「マラリア・ベルト」の終わるのが、パプアニューギニア、ソロモン、ヴァヌアツなのだそうです。人類と一緒に、たぶん何千・何万年もの間、旅を共にし、移動してきた、コンパニオンとしてのマラリア原虫の姿を追い求め、マリノフスキーのような偉大な人類学者のマインドと、分子遺伝学研究者としての志、問題意識の合流点において、彼の学問は形成されてきたのでしょう。
「アフリカ日本協議会」(AJF)の林達雄さんとともに、かつてマヒドン大学の熱帯医学コースで勉強した、金子明という、優れた、気骨ある研究者の足跡をすこしでも垣間見せていただいたというだけでも、この本を創ることは、私にとって、苦労とともに大きな喜びを味わう体験でした。

最後に、連合出版の八尾正博さんという、これも志の高い出版者が私の尻を叩き、後押してくださったことがこの本の改版を実現してくれる一番の原動力でした。拙著「文明の十字路から」や「JVCアジバール病院」などの出版を通して、彼との間で培われた信頼関係が私を育ててくれたとも言えます。その意味でも、八尾さんに心からの感謝をささげます。

なお本書は先月末からアマゾンでも入手可能となっています。



アジア旅行者のための感染症対策 [单行本-精装]
連合出版
2015-07-28


2015年8月1日
シェア代表 本田 徹


**応援よろしくお願いいたします**

手を洗うことの大切さは知っています。でも、水がありません。 【天の川基金】Kをお願いします。
2015-08-10 13:02 | 記事へ | 東京事務局日記 |